昨日、ニュースサイトを巡っていてたまたま目についた記事が、断定口調でしかも、その方の半径10メートルくらいの出来事を元にかたられているような気がするので、僕も半径5メートルくらいの実体験を元に反論しようと思います。
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取りあえず全然、うんうんと肯けるところがなかった
今回、びっくりした記事は以下の記事です。東洋経済のサイトにのっている記事なので、それなりに名のしれた方のきじかもしれません。連載第一回ということで、少し話題になるような扇情的な書き方をされたのかもしれませんが。
このごろ、会社において、また「さん付け」がいいというような風潮が出てきたように思います。大抵の場合、経営がうまくいかなくなると、「うまくいかないのは、社内の風通しが悪いからだ」「部下が上司に、自由にものが言えないからだ」などという理由で、「じゃあ、さん付けにしよう」となるようです。
しかし、筆者の34年におよぶ経営者としての経験から言えば、肩書で呼ぶのではなく、「さん付け」で呼び合う会社は、大抵その後、倒産するか、衰退するか、あるいはそれ以上の発展はしないということです。
いやいや、さすがにちょっとどうなの…
私の周りで、名前+役職名で呼びあう会社なんかなかった
私の新卒入社先は、外資系企業でした。そもそも外資なんかは役職名で呼んでいません。
上司の方々に昔の話を聞くと、上司が外国人ばかりだったころには、日本人社員も英語名を名乗って、全員お互いをニックネームで呼び合っていたようです。
今も、ニックネームで呼び合っている会社も少なくないですし、日本ではそうでなくても、本社に行けば普通にニックネームで呼び合います。
その後、日本の企業に転職をしましたが、ベンチャーだったこともあり、社長も役員も普通にさん付けです。
だからといって、責任を伴わない社内がなぁなぁだったかというと全くそんなことはありませんでした。(ていうか、外資もベンチャーもそんな甘い会社じゃないです。ツメられる時は本気です…)
役職名で呼べば、責任が伴うなんて、オカルト
この記事中では、役職名を付けて呼びあうことで、業績不振の企業が急回復したとか、そういえばシャープや東芝は最近さん付けをするようになったからああなったと言った話がかいてあります。
しかし、そんなことで業績が悪化したり、改善したりなんて絶対しません。なんかダイエット商品のCMみたいです。いかにも、その商品の効果でダイエットが成功したかのような、有名人の笑顔の下に小さく「適切な運動と専門家による食事の制限をしたからです」とか書いてあるあれです。
結局、「適切な運動…」にあたる何かをしたから、業績が回復し、そうでなかったから、業績が落ち込んだのです。
著者は、記事の後半で、「さん付け」すれば風通しが良くなるなんて、嘘だと書いてるわけですが、まったく同じことを言い返して差し上げたいです。
ここからは、個人的な話です。
逆に役職名なんかでお互い呼び合ってる会社の方が、今どきどうなの?と思う
僕自身は、基本、自社内は勿論、顧客に対しても「さん付け」でしか、呼びません。まわり全員が役職名を付けていたとしても、迷った挙句に、自分だけはさん付けで押し通してしまいます。
今までの論調の逆を言うようですが、呼び方は「何か」を意味しているとは想うからです。
役職で仕事をしているわけではない。役職が仕事をさせるわけではない。
役職名で呼ぶこと(正直言えば呼ばれることも)、抵抗を感じる理由は、その呼び方が、「その人」を見ず、「役職」に対してものを言っているように感じてしまうからです。
役職で呼ぶことによって、「個人」ではなく「レッテル」に対して語りかけているようで、手応えがまったくなくなってしまうのです。
私は、仕事を、人に対してお願いします。組織に対してではありません。勿論、組織の責任者に依頼する時はその組織が仕事をすることを期待しますが、だからといって依頼する相手を見ずに仕事をお願いすることはしてきていないつもりです。
客引きの呼びかけみたいと思ってしまうせいもあるんですけど(笑)。
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