独特の演出、リズム、スピード感があり、舞台全体から若さがみなぎる舞台。個々の役者のキャラクター設定が平板で、感情移入しにくく感じる部分はあった。一方で、主人公のキャラ設定には一応厚みがあり、話の運び方が巧みであったことから、最期まで集中力が途切れること無く見ることができた。
劇団 | 劇団ダブルデック | ||||
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題名 | リーマン=シャイン | ||||
公演期間 | 2015年8月13日〜2015年8月16日 | ||||
作・演出 | ゴロ六郎 | ||||
出演 | 松原圭、緒方文彦、中川慎太郎、加藤歩美、梅村和宏、七野洋子、田口ともみ、加藤睦望、吉川瑛紀、松島やすこ、來住美保、大竹加耶子 | ||||
劇場 | 劇場MOMO | ||||
観劇日 | 2015年8月15日 |
<物語>
2020年の東京オリンピック後の日本は、新しい時代を作る会社が誕生した。「リーマン=シャイン」と言う名のその会社は、日本中のブラック企業をホワイト企業化するプロジェクト「オセロプロジェクト」を開始。5カ年のプロジェクトの最期の1週間がはじまる月曜日。最期のブラック企業をホワイト化すべく、一人の社員が抜擢されプロジェクトへの配属が決まった。
<感想>
2013年に見に行った「ググるくん」以来二度目の観劇。前回は「よく練りこまれた学芸会」という表現で片付けてしまいましたが、今回はもう少しボジティブな印象をもちました。
全編を通して、多くのシーンで歌やダンスが多用されており、テンポの良いストーリー展開は、前回のままかそれ以上でした。特に歌の多用は、「ミュージカルにしようとしてんの?」と思うほどでした。
役名の付け方や、個々のキャストのキャラクターの平板さも前回通り。ただし、今回は少なくとも主人公のキャラクター設定は内面設定もされているようで、そこに焦点をあてて、観劇することが出来ました。おかげで前回のように芝居全体の中心を見失うこともなく物語にはいっていくことができました。
立体的な舞台の造形もとてもうまく使われていて、狭い劇場ながら、大きく使って多人数の役者の立ち回りに窮屈さを感じさせること無くダンスや歌が行われていました。
この舞台を見ていて思い出したのは、1997年に見た東京オレンジの「EXPLORER」という舞台。(僕の感想、演劇感想文リンク)あの時も、見方に困りましたが、慣れれば心地よい芝居でした。とはいえ、今回の舞台に残念ながら、堺雅人さんのような役者さんはいませんでしたが…
台詞の端々に入るキャラの特徴付けた無理矢理なギャグとか、ちょうと半端な客いじりとかしなければもっと見やすくなるのになとも思いましたが、それも込での劇団の特徴なんだろうな。
[…] 台装置と同じくらいの存在感しかない(ほぼ背景化)していたのですが、今回は個々のキャラクタがちゃんと厚みができています。(前回の舞台を今更ディスる必要はない気がするが…) […]