[劇評]劇団四季「バック・トゥ・ザ・フューチャー」@四季劇場[秋](浜松町駅)

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2026年1月10日、ついに念願の劇団四季『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観劇!チケット発売から8ヶ月待ち焦がれた舞台は、映画のワクワク感はそのままに、最新テクノロジーと「ミュージカルらしさ」が融合した、今年ベスト級のエンターテイメントでした。

劇団 劇団四季
題名 バック・トゥ・ザ・フューチャー (Back to the Future: The Musical)
公演期間 2025年4月6日ロングラン上演中
ボブ・ゲイル(脚本) / アラン・シルヴェストリ、グレン・バラード(音楽・作詞) 演出 ジョン・ランド / 土器屋 利行(日本語台本・訳詞)
出演者 立崇 なおと: マーティ・マクフライ
阿久津 陽一郎: ドク・ブラウン
海沼 千明: ロレイン・ベインズ
斎藤 洋一郎: ジョージ・マクフライ
酒井 康樹: ビフ・タネン
竹内 華: ジェニファー・パーカー
柴田 鴻洋: デイヴ・マクフライ
多田 毬奈: リンダ・マクフライ
安田 楓汰: ゴールディ・ウィルソン
藤田 光之: ストリックランド
劇場
JR東日本四季劇場[秋](浜松町駅・竹芝駅)
観劇日 2026年1月10日(マチネ)

目次

8ヶ月待った!念願のタイムトラベルへ

去る2026年1月10日、劇団四季の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をついに観てきました。 この作品、日本での上演が発表された2025年の春頃からものすごい話題になっていましたよね。私もチケットを取ろうと参戦したものの、行けそうな日程は軒並み完売。結局、その時点でようやく確保できたのが「8ヶ月後」のチケットでした。

あまりに先すぎて、当日が来る頃にはチケットを買ったことすら忘れかけていたのですが(笑)、結論から言うと**「待った甲斐があった!」**と心から思える素晴らしい舞台でした。極端な話、今年(2026年)のベスト・ミュージカルにもう出会ってしまったかもしれません。

商業施設の中の「映画館」のような劇場体験

会場はおなじみの四季劇場[秋]ですが、久しぶりに訪れてみると周辺の雰囲気がガラッと変わっていて驚きました。「ウォーターズ竹芝」という商業施設の中に劇場が組み込まれていて、3階に[秋]、その上に[春]がある構造。 イメージとしては、ショッピングモールに入っているシネコンに行くような感覚に近いですね。食事処も充実していて、観劇の前後に困ることはなさそうです。

[劇評]劇団四季「Crazy For You」@四季劇場「秋」


↑が、前回2003年に四季劇場「秋」に伺った時の記事です。2017年に立替えられたそうですね。そりゃ、雰囲気かわってるはずだ(爆)

劇場に一歩足を踏み入れると、そこはもう別世界。 ロビーや場内はサイバーパンクな装飾が施されていて、まるでコンピュータの中にいるような、あるいは劇場全体がデロリアンになって1985年にタイムスリップするような……そんな近未来的なワクワク感に包まれます。開場中だけ写真撮影OKだったのですが、この空間演出だけでもテンションが一気に上がりました。


ここからはネタバレします

映画の世界観を守りつつ、ミュージカルならではの遊び心も

舞台の幕が開くと、そこはまさしくあの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の世界! 映画版はそこまで登場人物が多くない印象でしたが、今回はミュージカルということでアンサンブルのダンスシーンや歌がふんだんに盛り込まれています。

面白かったのが、ドクが自身の心情を歌い上げるシーン。周りに全く関係ないダンサーたちが集まってきて踊り出し、それを見たマーティが「なんでこの人たちいるの?」とツッコむんです(笑)。ドクが「こういうもんなんだよ!」と返すような、いわゆる「楽屋オチ」的なメタ視点のギミックもあり、映画のファンをニヤリとさせつつ、ミュージカルとして成立させているバランスが絶妙でした。

映画版との違い:ドクの危機と「大統領」のジョーク

ストーリーは映画版の脚本家(ボブ・ゲイル)が自らミュージカル用に再構築しているだけあって、世界観は完璧です。ただ、時代背景や観客層への配慮からか、いくつか変更点もありました。

一番驚いたのは、冒頭でドクが命を落としかけるシーン。 映画ではリビアの過激派に襲撃されますが、ミュージカル版ではその描写がなくなり、放射能(プルトニウム)による事故という形に変更されていました。後で調べたところ、これはブロードウェイ版からの変更で、ファミリー層や子供たちが安心して観られるように配慮されたものだそうです。個人的には、話がシンプルになってこれはこれでアリだなと感じました。

また、1955年にタイムスリップしたマーティが「1985年の大統領はロナルド・レーガンだ」と言う有名なシーン。映画では「俳優のレーガンが?じゃあ副大統領はジェリー・ルイスか?」と返されますが、今回は「副大統領はドナルドダックか?」というようなセリフに変わっていました。 今の時代に「俳優が大統領」と言っても(トランプ大統領などを経ているので)ジョークとして成立しづらいのかもしれませんね。1985年に比べて、ジェリー・ルイスの知名度も違っているでしょうし。こうした細かいアップデートも興味深かったです。

日本語で聴く「Power of Love」の違和感と懐かしさ

キャストで印象に残ったのは、ビフ役の酒井康樹さん。 マーティ役の立崇なおとさんが小柄に見えるような、ものすごく大柄な酒井さんがキャスティングされていて、二人が並ぶだけでビフの威圧感とマーティの非力さが視覚的に伝わってきました。

音楽に関しては、映画でおなじみの「Power of Love」などのヒット曲も日本語で歌われます。 これは以前『マンマ・ミーア!』を観た時にも感じたことですが、聴き慣れた英語の歌詞が日本語になると、脳内で「元の英語歌詞」と「聞こえてくる日本語」が喧嘩して、ちょっと不思議な感覚になりますね(笑)。
マンマ・ミーアを見たのも2003年なんですよねぇ↓

[劇評]劇団四季「マンマ・ミア!」@四季劇場「海」

ハリウッドの本気!「車が空を飛ぶ」衝撃

そして何より圧倒されたのが、舞台演出のテクノロジーです。 私が最後にニューヨークでミュージカルを観たのは2002年頃なのですが、それから20年以上経ち、舞台技術の進化に驚愕しました。

特にプロジェクションマッピングの使い方が秀逸です。 有名な時計台のシーンでは、舞台上のセットに映像を投影することで、役者が動いているだけなのに時計台を登っているように見せたり、デロリアンのカーチェイスシーンでは、回転する盆(回り舞台)の上にある車と背景映像が連動して、本当に街を疾走しているようなスピード感が生まれていました。

「すごいな、映像技術でここまで見せるのか」と感心していたら、ラストシーンで度肝を抜かれました。 なんと、デロリアンが本当に宙に浮いて、客席に向かって飛び立っていくんです! ピーターパンのフライングなどは見たことがありますが、まさか車一台をまるごと飛ばすとは……。「ブロードウェイが本気を出すとすごいミュージカルを作ってくるな」と、ただただ口を開けて見上げてしまいました。

まとめ:ブロードウェイでも観たくなる傑作

キャストの皆さんの熱演はもちろん、プロジェクションマッピングや舞台装置を含めた「総合芸術」としての完成度がとてつもなく高い作品でした。 この舞台を観ている間、「ああ、今のブロードウェイで、英語の原語版で最新のミュージカルを観てみたいな」と強く思いました。もちろんこの作品が見れるのがベストですが、そちらは残念ながら2025年1月に終演済み🤣。この作品ならばストーリーは頭に入っているので、英語がわからなくても絶対に楽しめるはずだったんですが…

もしこれから観に行かれる方は、ぜひ1985年と1955年のアメリカの空気を全身で浴びてきてください!

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