[劇評]パラノイアエイジ「幽月夜想」@「劇」小劇場

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いつもしっかりしたつくりの劇団で、安心して見られるのはいいのだが、後一歩魅力的な役者さんが乏しいのが惜しい。山県弁が心地よく、主役の松田さんの演技は、魅力に乏しい役者陣の中では特筆物。

劇団 パラノイアエイジ
題名 幽月夜想
公演期間 2007/04/21-2007/04/30
佐藤伸之
出演 秋場千鶴子、伊藤貴子、上村麻紀、荒井典子、池永さつき、佐藤伸之、長縄龍郎、宮川高幸、松田晴行、亀井俊彦、水内義夫、浅野好邦、中川智敬
劇場 「劇」小劇場(下北沢)
観劇日 2007年4月28日(ソワレ)

【ストーリー】

奥羽連山の中腹に位置する羽黒山、湯殿山、月山は出羽三山と呼ばれ、霊山として崇められていた。 死別した母の故郷を求めて旅立った青年<賢太郎>は八年前に出奔した父の日記を頼りに出羽三山の一つ、月山の麓にたどり着く。 人の住まぬ霊場でもある月山。此処で賢太郎は、謎めいた三人姉妹が支配する村に迷い込む。その村こそ、彼の求めていた故郷だった (以上 パンフレットより)

【感想】

この劇団の公演はわりとしっかりしたつくりの事が多いので、安心して見にいけます。特に今回は再演ということもあり、それなりに安心して見に行きました。

行ってパンフをみて驚いたのは、客演のはずの松田晴行さんが、主役をはっていること。でも見終わって納得しました。今回の舞台は松田晴行さんが引っ張っています。

 

前回、この作品に参加したときはそれはそれで脇役ながら印象的なはじけ方をみせてくれましたが、今回は主役として芝居全体の方向付けをきちんと行いながら、演技をしていました。抑えた演技でしたが、しっかりとした感情吐露等、なかなか見ることのできない一面を見せてもらった気がします。

40歳前後の男性がおじさんではなく青年を演じるのは凄く難しいと思います。しかし、松田晴行さんは中年の男との諦念と青年の男の苦悩をこの舞台の中で見事に両面演じきっています。今のこのタイミングの松田晴行さんでなければできない演技だったのではないかと思います(ほめすぎかもしれない)

 

といって他の役者さんが下手というわけではなく、脚本世界にうまく調和しているので、面白い舞台に仕上がっていました。

若干、苦言を呈するならば、

●女優さんの魅力がかつての公演時に 比べると少し見劣りする。(でも、山形弁の女性の話し声は、魅力的です。吸い込まれるように聞き入ってしまいます。)
●ギャグがいまいちである。(前半のギャグっぽくしようとしているところは、何か背中が寒くなりました。無理に笑わせようとするほどならば、いっそマジにやっていただいた方が見ているほうはつらくないと思います。ただ、この劇団に対しては昔遊びが足りないと書いたことがあるのですが….)
●前回見たときは、山里の無口な男と、田舎の長男役が同じ役者さんでとても魅力的な二役だったのですが、今回は別の役者さんが演じています。前回の神戸さんがよかっただけに、その部分も少し見劣りがしてしまったような気がします。

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