[劇評]オフィスコットーネ「屋上のペーパームーン」@ザ・スズナリ

広告

大竹田さんの舞台を集中的に上演する企画の一つ。最年長三田村周三さんの熱演だけでなく、非関西人によるオール関西弁の舞台に、出演者、演出者の方の努力に脱帽。全てのキャストが役に溶け込んでおり、充実した舞台だった。

 

劇団 オフィスコットーネ
題名 屋上のペーパームーン
公演期間 2016/2/10~2016/2/17
大竹田正典 演出 高橋正徳
出演 林明寛、津村知与支、有川マコト、佐藤誓、久保酎吉、三田村周三、江頭一馬
劇場 ザ・スズナリ(下北沢)
観劇日 2016年2月11日

■物語

大阪で1970年代にあった実在の事件がベース。とある雑居ビルの屋上でイライラしながら、事態の推移を待つ男たち。ひょんな事から、紛れ込んだグリコの元社員。底に、銀行強盗から帰ってきた仲間たちが。失敗したというその強盗事件の計画と失敗の顛末が語られる‥‥

オフィスコツトーネは二度目の観劇です。

どうやら(二作しか見てませんが)、実在する事件を取り扱うのが、大竹田さんの脚本スタイルのようですね。
前回は、劇団チョコレートの日澤さんが、演出するというので見に行きました。脚本の印象は、別役さん的だなと思っていたのですが今回は違いました
今回は殺人事件(通り魔殺人)をあつかつた前作とは違い、人死にの、でない事件。しかもほとんど未遂事件という性格によるものか、非常に軽いトーンの話でした。

舞台装置が素晴らしい

ビルの屋上が見事に再現されていました。
昔、ビルの屋上を再現した舞台で上演された芝居を手伝ったことがあり、こんな質感の屋上を作る大変さがなんとなくわかっているので、精緻な出来に感心しました。
月も印象的。題名にもなつている月がとても印象的な形で舞台装置を見守っていました。
欲をいえば、何か月に印象的なエフェクトがかかればよかったかなとも思いましたが、何も変わらず舞台を見下ろす感じも良かったのかもしれません

■幅広い年齢層の役者さんの躍動感が、凄い

前回(密会)とは、いろんな意味で、イメージが違うのですが、特に役者さんの動きがすごく良かったです。
20代、30代の役者さんはともかく、ほぼ全員が出ずっぱりのような舞台で、狭い舞台を縦横無尽に動く様は圧巻でした
最高齢三田村さんなんて、この間まで余命を宣告されたとか言っていたのが信じられないくらいの活躍振りです
役者さん個々の個性が、伝わってきて、当て書きされたのではないというのが、にわかには信じがたいほど、役に溶け込んでました。但し、後述する関西弁は除く(^ ^)
特に佐藤誓さんの演技は、良かったです。謎の多い事件の首謀者の存在感と関西人の軽さが絶妙にマッチしていました。

関西弁、お疲れ様でした。

生っ粋の関西人というわけではありませんが、全編関西弁での台詞、良かったと思いました。(ちょいちょい引っかかるトコがあったのは否めませんが)
作品世界が大阪のど真ん中だし、この選択肢しかなかったと思いますが、それにしても一人も関西人のいない座組で、これは相当大変だったと思います。

ラストシーンは、意外感

全体の話のトーンに対して、ラストシーンはびっくりさせられました。
こんな終わり方があるのか、とちょっと意外でした。

 

戯曲は以下の書籍に収録されています。

広告

1 個のコメント

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です