[劇評]大森カンパニープロデュース「更地15」@ザ・スズナリ(下北沢)

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何度も足を運び、小さな劇場時代も知るこの座組も15回めにしてスズナリを満員にするまでに成長。相変わらずのシュールな物語に全力で取り組む芸達者な役者陣。脚本、緻密な演出、そしてそれをぶち壊す役者という三拍子に笑いっぱなしの100分間
劇団 大森カンパニープロデュース
題名 更地15
公演期間 2019/09/18~2019/09/24

故林広志

演出 大森博
出演者  田中真弓、山口良一、竹内都子、天宮良、大森ヒロシ、近江谷太朗、弘中麻紀、横山清崇、森内翔大、神田朝香、依里、大森美来
劇場
ザ・スズナリ(下北沢)
観劇日 2019/09/21(マチネ)

面白さをそのままに前回に引き続きザ・スズナリを超満員に

大森ヒロシさんのプロデュース公演としての更地は、「大森☓故林」とか「ProduceUnit大森そして故林」とか名義で行われていたものが、いつしか大森カンパニープロデュース団体の名前をかえながら続いてきました。私は、2011年(今から8年前)の「大森☓故林」名義で上演された「更地5」を見に行ったのが多分最初です。

シアター711という劇場もいい劇場ですが、スズナリに比べれば少しこぶりな劇場。そのサイズ感も合わせてとても劇場にフィットしたコントの数々でした。本多劇場での公演は..(以下自粛)でしたが、ザ・スズナリでは補助席まで出る盛況ぶり。お見事です。

ここからはネタバレします

令和の時代に昭和歌謡で攻める前半戦

開場時の客入れ音楽が、昭和歌謡なのは雰囲気があってよかったです(最初のネタにも繋がっているのかもですが)。
最近職場で行ったカラオケで「昭和縛り」だったのを思い出しました
それは、ともかく町中でコーラスを歌っている男たちがなにかに目覚めるという最初の話も、たしかに昭和歌謡のコーラスのなぞの歌詞(というのかあれ、ボン、シュビ、ドゥワなど)の由来が斜め上から語られるあたりは流石です。最初からかなり掴まれた感じです

漫画家の話はシュールさが際立つ

ようやく田中真弓さんの声を聞いて、ルフィやクリリンが脳裏に浮かばなくなりました。というか、最近ワンピースでルフィが喋っているのをきいていても、 オタオタしている田中真弓さんの実像が浮かんできてしまいます 

今回は、田中さんが演じる物語がかけない漫画家さんのもとに救世主の如く現れた竹内都子さん演じるアシスタントの会話劇が面白いです

自分がネタになっていることに気づいているのか、気づいていないのか漫画家を絶賛する竹内都子さんもさることながら、その実話をそのまま自分の漫画にしていることに罪悪感を感じて自分でその先の展開を考えようとしているのに、都子さんがさらにその上をいくというあたりは、ツボでした。

ちなみに内面的自爆テロという言葉かなりのパワーワードですが、結局なんだったんでしょう

初参加竹内都子さんが八面六臂の大活躍

竹内さんは初参加ということですが、今回かなりいろんなネタで重要な役割を果たしていて面白かったです

最近、常連の田中さん、弘中さんとはまた違う味のあるキャラクタであるとともに、竹内さんが入ることで、弘中さんあたりがいつもと違う役回りに回っているなぁと思ったり。

バザーの準備ネタでは、不思議な世界に入る常識人役が今回弘中さんだったけど、いつもの感じだと、訳知り顔で不思議世界の説明役をやるのが、弘中さんで、常識人役は若手の女優さんがやることが多かったので、この役回りになっているのは新鮮でした

もちろん、弘中さんのあの常識人っぽく非常識なことをするというのは、バスガイド役のコントで遺憾なく発揮されているわけで、力強いニューキャラが生まれて面白さの幅が広がったと思います

大森地獄を見てみたい

ちょっと前から、大森カンパニープロデュース界隈でトレンドキーワードにランクインしている 「大森地獄
知らない人が聞けば 大分にできた新しい温泉地みたいな名前ですが、笑いを追求する為の飽くなき大森さんのこだわり抜いた演出を指す言葉です

これだけ頻発されるとぜひその様子を見てみたいです。NHKのプロフェッショナル仕事の流儀あたりで取り上げてくれないもんでしょうか

フジテレビ日曜お昼のザ・ノンフィクションでもいいです。

でも、一番笑ったのはおそらく脚本演出の外側の世界

故林さんの常人の斜め上の発想から繰り出される物語、地獄とさえいわれる緻密な演出があればこその面白さだと重々承知した上でですが、一番笑ったのは割とその外側にある出来事でした

開演前の観客誘導説明で笑いを取る依里さん

まさか、災害時に客席誘導を「遠慮する」という劇団があるとは思いませんでした。しかも、しばらくその自分の言い間違いに気づかないで、やっと「遠慮」ではなく、「案内する」というセリフになるあたり…素だと思うのですが、初日ならまだしも5回目であれは確かにヤバい(面白かったのけど)

最近の大森カンパニープロデュースの前説、彼女と大森美来さんの二人がやっていることが多くて「 いや、なんで二人で? 」と思っていましたが、 謎が解けたような気がします
コントで、セリフが飛ばなかったのは奇跡的な気がしました

山口さん、山口さん、山口サーン!!

更に笑わせてもらったのは、決闘に赴くガンマン役を山口良一さんと大森さん+田中真弓さんでやっていたコント。
順調にネタが進んでいたようなのですが、途中からどうも様子がおかしい。

大森さん若干目が泳ぎ気味で、何かを必死に山口さんに伝えようとしているのですが、山口さんはなんのことやらという風。
おそらく何かのセリフが翔んだ模様

とそこまではわかるものの、それ以上はわからず。大森さんは、割とマジに山口さんをはったくし、山口さんは「俺、大丈夫なの?」とかわかんないこと言い出すし…このドタバタ感もまた更地の魅力です(大森さんは嫌かもしれないが)

衣装なの、コスプレなの

ちなみに、今回コントとしてよりもしかして自分の常識がおかしいのか?と思ったコントがひとつ

隣人が流すQueenの曲にノリノリになる真夜中の姉妹というコント。
弘中さんと神田さんが真夜中感を出すためにパジャマ姿です

弘中さんのパジャマは、普通のパジャマっぽいパジャマなのですが、神田さんの衣装がなんか変。

何、コスプレ?。きぐるみ?みたいな服で、絶対このパジャマを着ている妹はなんらかイタイ役なのに違いないと思っていたら、最後までわりと常識的な住人という設定

↓ちなみに来ていたのはこんなの

ちょっと不安になってきたのですが、今の若い子普通にあんなのパジャマとして家できているの? え、マジ!?

以上 大森カンパニープロデュース「更地15」の感想記事でした

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