[劇評]地球ゴージャス「カルテ」@日生劇場

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初見の地球ゴージャスは、ストーリーに無理があり見ていて感動できるものではなかった。ギャグもパターン化されており初見でありながら途中で飽きてしまう部分がある。ダンスシーンや装置の出来が良く、大劇場舞台的な華々しさはさすが。

劇団 地球ゴージャス
題名 カルテ
公演期間 2002/05/05~2002/06/30
岸谷五朗 演出 岸谷五朗/寺脇康文
出演 岸谷五朗,寺脇康文,高島礼子,西村雅彦, 山西道広,入絵加奈子,能見達也, 小野真一,林希,佐藤浩之,NAO, 吉野記代子,岡千絵,松本光子,日置望喜, 阿波連朋子,原田治,武井秀夫,渡辺夏樹, HARU,今野直美,石山博士, 福島カツシゲ, 西原純,鹿嶋優子,高沢草,宮本弥生, 前川貴紀,川守田政宣,石倉良笙,新田将司, 斎藤直樹,平野亙
劇場 日生劇場(日比谷)
観劇日 2002年5月18日(ソワレ)

<<ストーリー>>

良医の院長が行方不明の好きに病院内の権力を欲しいままにする副院長の目を盗み、院長の娘がかつての院長の教え子である三人の天才外科医を呼び寄せる。院長の娘が彼らに託した患者は、当の院長。しかも、体を失った院長の脳を入れる為の器として三人のうちの一人の体を提供して欲しいといわれる。

<<感想>>

豪華絢爛たるドタバタ劇という印象。はっきりいってストーリーが役者や装置、ダンス等とぜんぜんつりあっていない。

 

チラシやテレビの宣伝に騙されていたのかもしれないが、こんなストーリーなら医学を扱うとかか問い掛けるとかそういう事を言わない方が良いような気がする。はっきりいって、ストーリーの中にほとんど現代医学に対しての問題意識を見出す事ができなかった。

 

純粋なコメディだと思えば良いのかというと、最初の方こそ笑えるものの、途中で飽きてしまう状況にある。

 

各キャストの間抜けさかげんでで笑わせるというシーンが多すぎて、初見の劇団でありながら芝居の途中でギャグのパターンに飽きてしまった。(出てくる役全てが間抜けなキャラクターというのは、途中で飽きるということがよくわかった)笑いのパターンはもっと一杯あるはずだし、開拓の余地があるはず。そこまで手がまわっていないのではないだろうか

 

ダンスシーンや殺陣のシーンはさすが!テレビに出ている事が多い寺脇さんや岸谷さんが素晴らしいダンスや殺陣を披露しているのを見て、お二人が普段から鍛えているのを実感することができた。

 

だからこそ、もったいないなぁと感じる。ストーリーテリングの部分が未熟すぎてとってつけたような展開があまりに多い。結果として、素晴らしい役者もダンスも装置も映えない。

 

特に、実力派の客演陣を生かし切れていないような気がした。

 

西村さんの不慣れなダンスも殺陣やアドリブに(若干こちらの先入観があるかもしれないが)おどおどした演技をするあたりは今回の舞台のある意味見ものだったかもしれないが、セリフやストーリーの稚拙さ故にやはりその魅力が半減している気がした。

 

初舞台ということだった高嶋礼子さんの場合は、どういうキャラクター設定なのか最後まで不明だった大体、高嶋礼子さんは何歳の役なんだ?結構大人の女だと思ってみていたのに、最後にファザコンのようなセリフを残して自殺するシーンをみて一気に設定がわからなくなってしまった。脚本上キャラクタの設定が統一されていないのではないかと思ってしまう。高嶋さんは実はやりにくかったんではあるまいかと勝手に想像してしまうのだが….

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