[劇評]海津義孝プロデュース「毛皮のマリー」@ザ・スズナリ(下北沢)

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劇団 演劇実験室◎万有引力
題名 毛皮のマリー
公演期間
寺山修司 演出 J.A.シーザー
出演 篠井英介、海津義孝、由地英樹、内田滋啓、鈴木飛雄、井内俊一、小林圭太、小林拓、関根信二、若松力、前田零、新屋敏幸、ヒロシ、千代田夏夫、中島康介、立野京介、山口洋哉、おぼろ川英次、横山和裕
劇場 ザ・スズナリ(下北沢)
観劇日 1998年7月25日

脚本は、寺山修司にはまった学生時代に読んだことがあったのですが、上演されているのを見るのは有名な美輪明弘版を含めても初めて。ただ、脚本を読んだ時になんとなく現在の美輪さんでは、年を取り過ぎているような気がしたので、今回のキャスティングは初めて見ると言う事以上に楽しみにしていました

結局オフの回を含めて二回みたのですが、一回目は、その妖艶な男優達に目を奪われ続けたが故に見逃した細かい部分も含めて色々な発見をすることができました。

個人的には、途中の幕間劇として、海津さんがマリーに化けるシーンが好きでした僕の記憶が正しければ、こんなシーンは、もとの脚本にはなかったはずなので、今回、下男という割と地味な役に挑戦した海津さんのパワーが存分に発揮されたシーンでした

最後のシーンは、印象的でした。
ある意味、篠井さんよりも女性的な印象もあるキンヤ少年が、マリオネットのように操られてマリーの元に戻ってくる姿は果たして現実の物なのかどうか、謎のシーンです。涙を浮かべて二人を見守る下男の目には、果たしてキンヤ少年は見えていたのでしょうか。僕には、狂った妄想のなかのキンヤを慈しみ、愛する独りの孤独な女主人を見つめている涙のような気がしたのですが

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