[劇評]劇団☆新感線「吉原御免状」@青山劇場

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笑いが非常に少ない新感線。しかし、僕自身はけしてこの劇団に笑いを求めているわけではないので、かなり満足した作品だった。京野ことみさんや松雪泰子さんの体を張った演技にも目をみはったが、やはり、堤真一さんのかっこよさが印象に残った。

劇団 劇団☆新感線
題名 吉原御免状
公演期間 2005/09/08~2005/10/23
中島かずき 演出 いのうえひでのり
出演 堤真一、松雪泰子、古田新太、京野ことみ、梶原善、橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと、藤村俊二、逆木圭一郎、右近健一、河野まさと、村木よし子、インディ高橋、山本カナコ、礒野慎吾、吉田メタル、中谷さとみ、保坂エマ、村木仁、川原正嗣、前田悟、二木奈緒、田畑亜弥、金子さやか、鶴水ルイ、熊本梨沙、鈴木かすみ、長谷川静香、武田みゆき、中間千草、仲里安也美、嶌村織里江、横山一敏、藤家剛、武田浩二、佐治康志、矢部敬三、三住敦洋、富永研司、吉田和宏
劇場 青山劇場(表参道)
観劇日 2005年9月24日(マチネ)

原作も有名な作品ですが、読まないままに行きました。

いのうえ歌舞伎としてはこれ以上ない傑作だと思います。

きちんとした原作があるが故ということもあるでしょうが、いつも中島さんの脚本を見たときに感じるどこかほかの芝居でも見たような設定というものがほとんどなく、いつもながらにながい芝居でありながらまったく途中飽きることがありませんでした。

当然に役者陣のすばらしさも飽きの来なかった理由でしした。

過去に新感線の舞台では何度か見ている堤真一さんの演技はピカイチでした。市川染五郎さんの殺陣を見たときもその美しさにほれぼれしましたが、堤さんの殺陣の力強さとそのバイタリティーにも感動しました。

 

引き比べるほうがかわいそうかもしれませんが、古田さんの殺陣は敵役にしてはやはり迫力にかけていますね。毎度書いているような気がしますが、もう少しやせれば、もっともっとかっこよくなるのにと思いながら見てしまいました。

 

藤村俊二さんがほぼ、全編でづっぱりなのにも驚きました。恐るべき体力というか、それでいて、藤村さんにしか出せない不思議な雰囲気が舞台上を覆いつくしていてすごいと思いました。舞台でもっと見たいと思わせる稀有な高齢の(失礼!)役者さんです。

梶原さんは、昨年の髑髏城以来ですが、出番が増えています。今回の舞台では見事に舞台の雰囲気をつくりだしていました。今思えば、前回の出演は、これほどの大役を配役するためのテスト起用だったのでしょうか?めちゃくちゃ当たり役をやっているなと思いました。(きっと、梶原さんじゃなかったら、橋本じゅんさんあたりがやったんだろうなと思ってみてました)

 

女優陣の体をはった演技にもまいりました。色香が会場中を覆い尽くすのではないかと思うほどの色気が京野さん、松雪さんにありました。テレビで見ているときにそれほど色気を感じるタイプの女優さんではなかっただけに意外でした。

 

絢爛たる舞台装置や周り舞台を歩く堤真一さんをまったくぶれることなく追う照明など、いつもながらのスタッフワークのすごさは現在の所、東京の演劇界一かもしれません。これを見るだけでも価値があると思いました。

 

帰りに思わず原作をかってしまいました。読んだ感想として思った以上に原作に忠実にしながら、要所を舞台向きにしていたんだなぁということ。中島さんの筆力に脱帽

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