劇団 | 大森カンパニープロデュース | |||||||
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題名 | いざなひ | |||||||
公演期間 | 2017/12/13〜2017/12/20 | |||||||
作 |
故林広志 |
演出 | 大森博 | |||||
出演 |
坂本あきら:しげさん(クラブKの専属コントトリオの一人。先代オーナーとは昵懇) 岡まゆみ:まき(クラブKの専属の歌手。娘のアイは、ミサキと同級生) 山口良一:ジョージ(クラブKの専属のコントトリオの一人。今も店を守っている) 大森ヒロシ:しょうた(クラブKの専属のコントトリオの一人。ミサキの父) 佐久間哲:哲雄(クラブKのオーナー。シホの父) 伽代子:バネッサ(クラブKの出演中のマジシャン。ジョージとともに店を守る) 横山清崇:たけだ(シホのボディガード。元ダンサー) 仙石みなみ:ミサキ(歌手志望の23歳の女性) 嘉人:ナオト(哲雄のボディガード) 小山まりあ:?(映画監督志望の24歳の女性。ミサキ、アイと学生時代からの仲良し) 仲村星凛:シホ(ダンサー志望の21歳の女性。哲雄の娘) ※ 役名が記憶に頼っている為、あやふやです。間違えていたら教えてください。 | |||||||
劇場 |
小劇場B1(下北沢)
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観劇日 | 2017年12月16日(マチネ) |
目次
物語
流行らなくなった「ショークラブK」のオーナー哲雄は、今月以内の閉鎖を考えていた、しかし、店の存続を望むかつての芸人たちが戻ってくる。芸人たちはそれぞれの事情を抱えていて.
5年ぶりに足を運びました
今回が、Vol6ということで、全部で6作品ということですが、僕自身は、「あまから」「あかはな」「あおげば」をみました
上記のブログでは、第1回から欠かさず見ているとか言っていますが、ブログ記事にしているのは上記のみ
とーじいそがしかったからなぁ(遠い目)
(実は、2010年から2011年にかかえてまったく劇評がかけていない時期があります…)
とりあえず、「あ」で始まる4文字という題名しばりはちょっと見ない間に「い」で始まるシリーズに変わった模様。(前々回は「あじさい」でその後「いじはり」になったみたい)
とはいえ、コンセプトの笑って泣ける人情喜劇というのは変わっておらず、今回も存分に笑わせてもらい、そして涙ぐみました。
きっちり作り込まれた笑いと予想できない笑い
芸達者な、大森さんや山口さんの掛け合いからスタートする舞台は、そこから笑いへのなだれ込み方がスムーズです
伽代子さんは初めてみる女優さんでしたが、貫禄があって山口さんとのやり取りも堂々たるものです。年齢が本当にわからない女優さんでした。最後まで、「若いと言っているおばさん」なのか、「若いと言ってるおばさんを演じている若い人」なのかがとうとうわかりませんでした
更に、笑いに拍車をかけるのは、坂本あきらさんの予測できない動きです
多分あれは、全然台詞をおぼえていないんじゃないかと思われるシーンが多数
観客ばかりか、一緒に舞台に立っている役者さんたちさえもハラハラしているのが、こちらに伝わってきます
ちなみに、カーテンコールでは「まだ、坂本あきらの完全体は出現していない」と山口さんが言っていましたが、楽日まで出現しない気がします
ちょうど、「ヤング・フランケンシュタイン」で、ムロさんの口パク独唱が楽日までにムロさんの独唱に変わらなかったように…
泣かされる事がわかっていても泣かされる
この舞台は、途中で泣かされるシーンがあるのは予めわかっていて、ストーリー的に岡さんの娘役の死と岡さんが歌う理由が絡むことは、見ている途中でほぼよそうしていました
それでも、いざそのシーンになると泣いてしまいました
後から考えれば、突然死した子供の映像を、3年もそのお母さんに見せないで、その母親(岡さん)が歌うことを逡巡するタイミングで初めて見せるなんてことはありそうにありません
と思いながら、若干無理がある脚本/演出だとわかっていましたがそれでも泣かされる/泣かせるところは流石だなぁと思いました
会場内も泣いてる人多数
サラウンド音声で、周囲中から鼻水をすする音が響くというのは、僕自身あまり経験がありません
仙石みなみさんの「静」と「動」の小山まりあのこの組み合わせは悪くない
二人のコンビは、山口・大森コンビとまでは行きませんが、対象的なキャラクタで、場が明るくなりますし、小山さんの演技は場を軽くする力があり、ちょっと重めになりそうな物語の中では貴重な存在でした
一方、仙石みなみさんが歌手という設定にも関わらずイマイチ歌が上手くないのは減点ポイントでしょうか。岡まゆみさんの歌を引き出すために脚本的にはやむを得なかったかもですが、見せ場なだけに残念でした。
セットとラストがちょっと気になった
小劇場B1という劇場の特性上しょうがないのかもしれませんが、舞台を二方向から見る構造になっているためか、その間を正面にして語りが行われる演出は気になりました。歌を歌うにしろ、漫才をするにしろ、どっち方向から見ているお客さんも正面とせず横顔を見せるという構造は、芝居の魅力を少し損なっているとおもいまいした
後セットも、バブル期のクラブというには少々チープさが目立ちました。バブル期に赤坂あたりで仕事をしていた身としてリアリティにかけるなぁと思いながらみていました。分類的にはスナックだなと
最後の、暗転中に事の成り行きを説明するナレーションがはいるというのも、演劇的にはイマイチでした。できれば、俳優が舞台上で台詞で成り行きを説明するシーンを用意してほしかったとおもいました(できなければ、カットでも良かったと思います)
最後は少し辛口になりましたが、間違いなく笑える、間違いなく泣けるという稀有なカンパニー&シリーズなので、次の舞台もタイミングが合えば観に行きたいとおもいました
以上 大森カンパニープロデュース「いざなひ」の感想でした
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