[劇評]ねこ脱出「ハヤブサ」@楽園(下北沢)

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hayabusa小さな劇場にしては過剰すぎる出演者ではあるものの、シーンごとの出来は素晴らしく、役者さんのパワーに圧倒されました。

若干、楽屋落ちというか内輪受け的なギャグがあったのが気になりましたが、それを差し引いても、1時間40分の時間を忘れさせてくれる舞台でした。

劇団 ねこ脱出
題名 ハヤブサ
公演期間 2014/07/16~2014/07/27
演出 高倉良文 高倉良文
出演 船戸慎士、徳田真由美、松元千明、高倉良文、香川伸雄、今泉マサタカ、迫真由美、はじかのゆうた、松田明典、杉田麻由香、池ノ谷さゆり、浜田美希、野口裕樹、谷口ヒロユキ、鈴木とーる、みやむらゆみこ
劇場 楽園
観劇日 2014/07/19

目次

■お話

『ハヤブサ』という墓のある公園。そこにいつも来る地元ヤクザの大姉御、歳をとり何度も来る中で、記憶を失っていくことを恐れた彼女は、ひょんなことから川柳を始める。そうすると次々にその公園での出来事が蘇ってくるのであった。その記憶にはいつも[ハヤブサ]がいた。

■感想

時間逆転型ストーリー。戦後焼け跡から現代まで

主役を中心に、時間を現代から戦後まで逆転していくストーリー。ありがちな設定ですが、時間逆転は、途中で今何をやっているのかわからなくなりがちなのですが、川柳をつかってうまくその辺を処理していました。
そのエピソードの意味を川柳でうまく伝えてくれたので、エピソードの意味の理解の助けになりました。

俳優の熱演に感動。杉田麻由香さんの演技に涙

蘇ってくる過去のエピソードは良い話が多かった。特に、主役である龍平が小学生だった時のシーンは、印象が残りました。戦後すぐの小学校でいじめられれる龍平を救う為に行う青空学校。その学校で語られる先生(杉田麻由香さん)の思いであり、その思いの産んだ大胆な行動というところは、感動しました。

アドリブ対応もお見事(事故対応?)

ちなみに、此のシーンで、もう一人の先生役だった松田明典さんが、授業で問題(ほぼクイズか、なぞなぞだったが)を出して、子供が答えるというシーンがありました。その時、答えを予めいっちゃうという凡ミスをしたのだけど、その切り返しも面白かった。(いや、でも、トラックが曲がり角で落とすもので、「スピード」がいえなくなったからって「愛」ってのは、無理がありますが)

期待してなかっただけに、満足度は高かった

実は、まったく知らない劇団だっただけに、見終わった後の満足度は高かったのです。ただ、主役というかメインのキャストの船戸さんの演技は正直少々うざかったです。ただ、このキャラクターを出すための物語だったと思うとしょうがないのかもしれませんが。

楽園初潜入。。。なんだぁあの大柱は!

ちなみに、本多劇場グループとはいえ、わりと新しいこの劇場は、初めて行きました。はいってすぐどまんなかにある太い柱に圧倒されました。結構存在感のある柱。これ、他の公演の時も有るんですよね。結構、上演する芝居を選ぶ劇場だなぁと思いました。

キャパも小さな劇場で、この劇場でこの人数が出演する舞台をやるというのは、ちょっとアンバランスだなぁと思いました。

他劇場との行きかい企画は不発?スタッフはハラハラだろうけど

この芝居、目の前にある「劇」小劇場で行っている芝居と芝居の最中にお互いの出演者が相手の劇場にでるという企画があったのですが、見ている限りでは不発だった気がします。

最初にそういうアナウンスはあったものの、なんか唐突にそれまでででていなかった役者さんが出てきて、その方が[劇」小劇場から来たといわれても、ハラハラ感はなかったです。おそらく、双方の劇場の芝居の進行が一致しないとうまいこと時間があわないという意味でのハラハラ感は、スタッフにはあったかもしれませんが、客席にはなかったです。

そういう意味では、ちょっと内輪受けが多かったなと思いました。ハヤブサそのものが、過去の舞台の脇役だったみたいですが、初めて見る身には、最初のあたりはチンブンカンブンな話題がちょっと多かったです。

 

 

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