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クローン技術が人に適用された未来の物語を二人芝居で。思った以上にあっさりしていたものの初めて舞台でみた戸次さんの演技を堪能できました

劇団
題名 A・NUMBER
公演期間 2022/10/07~2022/10/16

キャリル・チャーチル

演出 上村聡史
出演者 益岡徹:父
戸次重幸:息子
劇場 紀伊国屋サザンシアター(代々木)
観劇日 2022/10/8(マチネ)

目次

クローンを題材とした二人芝居

特に事前知識を得ずに見に行った舞台でした。知っていたのは、出演者である戸次さんと益岡徹さんの二人芝居ということと、クローン技術が人間に適用された場合のドラマを扱ったSFチックな舞台だということだけ

予想以上にあっさりした舞台でした。たしかに2人芝居であまりに長いと辟易とする可能性もあり、これはこれで正解だったのかなと。たしかな時間を測っていませんが、1時間半はなかったのではないかな。

最近長い舞台を見慣れていることもあり、「え、ここで終わるの?」とちょっとびっくりしました(とはいえ、終わってみれば、それで終わってもらったのが一番良かったのですが)

説明セリフが少ないと感じるのはなぜ?

先日の「加担者」でも感じたのですが、僕は海外の脚本家の作品をみるとき、特に前半部分は、状況がわかるまですごく時間がかかっているように感じます
説明セリフが少なく、普通の会話の中(当然、登場人物は、その前後の会話の続きがわかってるのですが)で、前後の脈絡を類推する必要があります。
なぜか、それが芝居始まったばかりのときはとてもストレスでした
日本の舞台でそういうのがあるわけで、なぜ海外の脚本だとそれを感じてしまうのかなぞでした。
作劇の違いか、日本の舞台では無意識に共通基盤があって理解が早いのか…

ここからはネタバレします

クローン技術の導入による負の部分…あまり描かれなかった

もともとは、SF的にクローン技術が人類に導入された未来世界のなにかダークな物語を期待していたのですが、あまりそういう感じではなく…
どちらかというとクローン技術によって生まれた人の人格についての物語でした

自分がオリジナルではないと知って思い悩むクローン、自分のクローンを作られたことに傷つくオリジナルと当初の二人の人格は、クローン技術がに翻弄される姿がよくわかりました

3人目の人格は、そのすべてを受け入れて生を享受しています。結局、もしクローン技術が開発され、人類に適用されたとしてもこんなふうに受け入れるのが人類の強さなのかもしれません。「幸せなのか」という答えに「はい」と答えるラストは、あっけないようでいてとても示唆のあるものでした

戸次さんの変わり身の早さ

戸次さんは、その3人の人物(クローン)を演じますが、その全てで個性的でした
なので、クローンで同じ顔/同じ姿であるのに生まれてからの育ち方が違うことで、まったく違う性格になっているという設定を素直に受け入れてみることができました

ストーリーは完全に会話劇で、装置や衣装が対してかわるわけでもないのに、これだけの豊かなストーリーを生み出せているあたりはさすがと感じました

閑話休題…戸次という名前

戸次さんは、テレビとかではおなじみですが、舞台をこうして拝見するのは初めて

で、今回、この感想を書いている最中に何度も戸次さんの名前を書かないといけなくなって気づきました。戸次さんって「とつぎ」では変換でで出て来ない。

話によれば、戸次さんの母方の姓を芸名にされたとのことで、もともとの読みは「べっき」さんだったそう。

福岡にしばらく住んでいた私にとっては、知り合いにもいた見知った名前なので、べっきさんという読み方に違和感はありません。

ところが、戸次さんへの改名時、北海道では読める人がおらず、やむなく「とつぎ」という読みしたそう…. いや、北海道人心狭いなぁとか思いました😂

クローン技術の問題、少し考えさせられました

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