[劇評]大森カンパニープロデュース「更地20」@ザ・スズナリ(下北沢)

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「更地20」は、熟練のキャストと新たな才能が織り成す、笑いと感動のステージでした。15年という長い歴史を持つこのシリーズですが、毎回新たな魅力を発見できる点が、観客を飽きさせない大きな要因です。
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劇団 大森カンパニー
題名 更地20
公演期間 2024年8月20日~2024年9月1日

故林広志

演出 大森博
出演者 田中真弓: 特殊部隊隊長,気弱な脇役専門事務所マネージャー,観察日記を書く少年
山口良一: 特殊部隊員, AIに頼るコンサルタント,おばあちゃん、除霊されたい霊
天宮良:特殊部隊員,渡り鳥?, エース級高校球児
大森ヒロシ:特殊部隊員, AIに頼りたい市長、悪魔,補欠高校球児, 除霊したい家主
依里:AI, 天使, 結婚に迷うOL
速水映人:脇役専門事務所新人マネージャー
佐久間哲:チンピラ, 無職の父、プロデューサー, 高校野球監督,悪事を働く人
岩橋道子:チンピラに絡まれる女性、お母さん, 高校野球マネージャー, 結婚したOL
黒田篤臣:無職の父の悪友, 脇役役者,
神田朝香:ニートのお姉ちゃん, 結婚を考えるOL,
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劇場 ザ・スズナリ(下北沢)
観劇日 2024年9月1日(マチネ・千秋楽!)

目次

続く15年、進化する笑い

「更地20」は、故林広志氏によるショートコントを大森博さん(大森ヒロシさんの演出名)が次々につなぐ手法で上演される15年の歴史を持つ公演シリーズの一環です。今回も例外なく、観客を笑いの渦に巻き込むコメディの数々が披露されました。長年見続けているわけではありませんが、何度も足を運んでいる「更地」シリーズは、毎回その質の高さに感動させられます。

熟練キャストの熟成した演技

このシリーズの魅力の一つは、主要キャストの年齢を重ねた深みのある演技です。依里さんも最年少と思っていましたが、彼女も今や立派な「お姉さん」に成長😊。それでも、彼女が開演前に甲斐甲斐しく客席整理をしている姿は、プロフェッショナルの姿勢を感じさせます。そして、おじさんたち――大森ヒロシさん、山口良一さん、天宮良さん、佐久間哲さん――が醸し出す濃厚なキャラクターは、出落ちも含め多様なシチュエーションで観客を笑わせてくれました🤣。

故林氏の鋭い脚本

故林広志氏の脚本は、常識の枠を超えた展開が魅力です。特に「ボクの観察日記」では、子供の視点から描かれた失業中の父親の再生物語が、最年長(?)の田中真弓さんによる子役演技によって笑いと感動を生み出しました😂。また、「特殊!特殊!特殊!」では、卓越した能力を持つ隊員が現場でただひたすら「願う」という設定が、観客の予想を裏切る展開となり、大いに盛り上がりました😮。

新たな力と熟練の技の融合

今回の公演では、ラッパ屋の舞台でも活躍している岩橋道子さんや、大衆演劇で名を馳せる速水映人さんといった新規キャストの参加が、全体のパフォーマンスをさらにパワーアップさせました💪。彼らの存在が、既存キャストの持つエネルギーと見事に融合し、舞台全体の質を一層高めることに成功しています。

笑いと驚きの連続

特に印象的だったのは、依里さんが演じるAIの役。標準語ばかりではなく、ときに訛りのあるAIという設定は新鮮で、会場を爆笑の渦に巻き込みました😂。また、黒田篤臣さんと神田朝香さんという若手キャストの成長ぶりも、親のような気持ちで見守ることができました😇。彼らの演技は、これからの「更地」シリーズの将来に大きな期待を抱かせます。

最後は盆踊り?

更地といえば、最後はダンスで締めるのが恒例ですが、今回はまさかの東京音頭とダンシング・ヒーロー。どちらも今や夏の盆踊りの定番ですが、こちらもキャスト高齢化の影響でしょうか。楽しかったから、良いけど

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