[劇評]劇団ダブルデック「ゴールデン☓ウィッグ」@シアターグリーンBOX in BOX(池袋)

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本作で、観劇は3作目。劇団としては7作目とのこと。最初に見た時は、「よく出来た学芸会」と評してしまったが、今回も印象は変わった。なんか、ちゃんと物語の芯のようなものがあって、見やすいものになっている。

劇団 劇団ダブルデック
題名 ゴールデン☓ウィッグ
公演期間 2016/5/6~2016/5/8
ゴロ六郎 演出 ゴロ六郎
出演 鶴田聡、田口ともみ、西村蒼、針野裕貴、岩波達弘、吉川瑛紀、小山ごろー、勝又美晴、さんなぎ、來住美保、大竹加耶子、松原圭、七野洋子、緒方文彦、松島やすこ
劇場 シアターグリーンBOX in BOX THEATER(池袋)
観劇日 2016年5月7日

目次

■キャラクタの設定に厚みが出来て、感情移入しやすくなった。

今までに見ていた時には、個々のキャラクタが薄っぺらくて、前回見た舞台でさえも、主役以外は、キャラクタが舞台装置と同じくらいの存在感しかない(ほぼ背景化)していたのですが、今回は個々のキャラクタがちゃんと厚みができています。(前回の舞台を今更ディスる必要はない気がするが…)

■物語も練られてきた。

物語の構造も、複雑化してきていて見やすくなっている。単純すぎる物語よりも、きちんとこの先どうなるのかというハラハラや、伏線が引かれている物語の方が安心して見ていられます。

毎度のことながら、ミュージカル?というぐらいに音楽が多用されていますが、逆にここまでくると歌唱力の不足が少し痛い。特にラストシーンは、ライブ(音楽)がどこまで盛り上がるかがキーになるシーンで、とはいえ素人エアバンドという設定上、ボーカル(アイ子・七野さん)の歌唱力に全てがかかっていた…と思ったのですが、厳しいですね。

■特徴的な演出は相変わらず。なんかドラッグストアみたい….

パワーは相変わらずすごいです。歌い続け、踊り続け、個々のキャラクタの一言一言の台詞に全て「かけすぎ?」ってくらいパワーがかかっている。うざいなぁと思わなくもないのですが、ここまで徹底されれば清々しくもあります。台詞のしゃべり方がと音楽が相俟って、なんかドラッグストアの店内放送みたいになっていますが….

 

■魅力的な俳優さんたち

松島やすこさんかは存在感高いですね。印象に残る役者さんです、他の劇団でどんな演技をするのか、観てみたい役者さんです。
パッタの母親役のさんなぎさんは、印象薄めですが、台詞は一番聴きやすい役者さんでした。一番芝居が安定していたと想います。
主役4名の一人(アイジャン:針野さん)とお笑いコンビのネタをやった大竹さんの二人のネタは面白かったです。全てに体当たりでやっている感が良いですね。

 

■これから、どうななるのか。楽しみな劇団

こっちが見慣れてきたからか、作品が変わってきたからか、見るのが楽しみな劇団にだんだんなってきました。今回は、物語が見やすくなり、キャラクタに厚みが出てきた一方で、グルーブ感というか舞台全体の基調となるリズム感のようなものが少し弱まっているように感じました。
この辺のバランスを今後どうやってとってくるのか、それとも全く別の形に変貌するのか…楽しみになってきました。

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