久しぶりに見たOM-2は、観客に対して挑発的で断片的なシーンの連続でありながら2時間あまりの時間を長く感じることはない。こういうパフォーマンスを見慣れているわけではないが、ちょっと好きかも知れない。
劇団 | OM-2(黄色舞伎団) | ||||
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題名 | いつか死んでゆくであろうすべてのものたちへ | ||||
公演期間 | 2002/03/14-2002/03/18 | ||||
作/演出 | 真壁茂夫 | ||||
出演 | 内田久美子、村岡尚子、中井尋央、佐々木敦、柴崎直子、町田則子、浅村信夫、清水さと | ||||
劇場 | 麻布die pratze(麻布) | ||||
観劇日 | 2002年3月17日(マチネ) |
芝居の公演を見ていると、たまにグッと胸に迫る視覚的にかっこいいシーンがある。芝居のストーリー的な背景関係なしに印象に残るシーンが。
このパフォーマンスでは、その視覚的に印象に残るシーンが連続する。ストーリーのないこのパフォーマンスでは、純粋にシーンの見た目を楽しむ事ができるが故に(必ずしも美しいとかかっこいいシーンというわけではないが)シーンがダイレクトに左脳ではなく右脳に挿入されるような感じ。
開演早々、公演関係者に連れられ近くの芝公園へ、桜が咲きかけている公園で最初にパフォーマンスが始まる。なんとなく意味がわかるような気がしたのは、この最初のパフォーマンスだけだった。
男が、自分の座っている椅子から降り、くぐる。何でもない意味不明の行動だが、少しずつ自分の体をガムテープで不自由にし、それでも同じ行為を繰り返すことで狂的な感じがどんどん伝わってくる。何か象徴的に死にいく生物のもがきを感じた。
が、理屈を考えていたのはここまで。後は、純粋にシーン毎を感じることに集中した。
机を叩く(ものすごくうまい…というか練習されているのが良くわかる!)パフォーマンス。その後、自分の形をかたどった泥の山に、何度も倒れこむ男を見ていたときにちょっとしたハプニングがあった。
おまわりさんがやってきて、舞台上の役者に話しかけ始めたのだ!!
すわ、官憲の介入か!?と思うのはアングラ芝居好きの僕だけの勘違い。近所の人が交番に通報にいったらしい。確かに昼間の公園(このシーンまでは芝公園の一角で行われていた)でやるには怪しすぎるパフォーマンスだった。まぁ、制作の方と思しき方がすばやく割って入ったのでパフォーマンスに支障はなかったが(ちょっと残念)
その後、無事劇場に戻って続きを見た。自分の独り言をテープにとり、紙を舞台上に投げるパフォーマンスは、昔見た芝居のシーンに似ていて好きだった。ちょっと場違いなかわいい声で、歌っていたかと思うと地団駄踏んでるのか、タップしているのかわからない狂的なダンスをする女性がいたりするのだが、パフォーマンスは全体に「静」の部分が多くそれでいて少しずつ狂気が現れたり、あやういバランス。前回見た「K氏の痙攣」に比べる会場が小さいせいか、出演人数も少なく全体におとなしい印象だった。
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