劇団 | TBスタジオ☆クラブ | |||||
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題名 | かもめ | |||||
公演期間 | 2019/10/25~ 2019/10/27 | |||||
作 |
アントン・チェーホフ | 演出 | 得丸伸二 | |||
出演者 |
坂本秀昭:メデーベジェンコ 春日一文:マーシャ フクシマヤスヒロ:トレープレフ 大林弘子:アルカージナ 向江勝弘:トリゴーリン 増田千香:ニーナ 阿南さとし:ドールン 華岡ちさ:ポリーナ 長沢和彦:シェムラーエフ 瀧本忠:ゾーリン |
劇場 |
TBスタジオ(志茂)
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観劇日 | 2019/10/27(ソワレ) |
チェーホフ作品初体験も…
チェーホフといえば、演劇を観る人間としては、シェークスピアと同じくらいよく耳にする劇作家ですが、いままで見たことはなかったです
単純に機会がなかったからですが、少なくとも今回の舞台を見て今まで見ていなかったことを後悔するようなことはありませんでした。
都会(モスクワ)から離れた田舎町で暮らす夢見がちな男女の愛憎劇と、どこかくらいストーリー展開はあまり好きなものではありませんでした
俳優は、キャストへのフィット度が高い
役者さんの力、演出の力かもしれませんが、今回舞台上にいる俳優の皆様はその役のイメージにぴったりの方々が多かったです
そのため、上記の通り脚本に対していまいち乗れませんでしたが、それでも観ているのが苦痛でなかったのは1にも2にも役者さんたちの奮闘の賜物でした
(多分)主役にあたるニーナ役の増田さんは、夢見る乙女から都会に揉まれ、かなり男に酷い目に合わされ、最後に出てきたときにはかなり落ちぶれている感じになったのですが、その落差が見事に体現できていて素晴らしい役者さんでした
男女の愛憎劇や、恋の鞘当の展開もあり、また階級社会を感じさせるセリフがあったりしますが、こういっては語弊がありますが、各々の役割(男女関係だけでなく、使用人や女主人的な役割)にぴったりの表情であり台詞回しであったりがハマっていたとおもいます
全体的にドロドロとした関係の中で、一人陶然と構えた医者役(阿南さん)も、ハマっている一人でした
他の役のひとたちが様々な愛憎に揺れ動く中で一人、別世界の中にいる役ですが阿南さんの特徴的な台詞回しが彼の立場の違いを際立たせ、物語の最終局面での重要な役割を演じるのに最適な役回りを演じていたと思いまいした。
最後は衝撃的…も既視感が
実は、最後のストーリー展開もかなり唐突感があってどうにも入り込めない部分でした(あくまで脚本的に)
トレープレフが、ニーナとの叶わぬ恋を絶望的に感じ取り、ついにピストル自殺をしてしまうのです
えぇえぇと思いつつ、そういえばこんなラストが前にもあったなと思い巡らし、「ヘッダ・ガブラー」に思い至りました
劇団近ケロシアタープロデュース公演期間2011/07/22~2011/07/24演出愛川欽也作イプセン出演木村なおみ、加藤敦洋、五十嵐さより、西原一郎、仲澤剛志出演者から誘われて見に行きました。そうでなければ、絶対に見に行けなさそうな舞台でした。キンケロシアターのホームページ見に行ったけど、この公演の情報はのっておらず....シークレット公演だったのか?イプセンのヘッダ・ガブラーという古典と演出愛川欽也さんという情報を頼りに見に行きました。古典の舞台というのは、冷静に考えてみるとシェイクスピア以外ほとんど見た覚えが... キンケロシアタープロデュース「ヘッダ・ガブラー」@キンケロシアター(中目黒) - 演劇とかの感想文ブログ |
あれも、かなり唐突感がありましたが、この時代拳銃自殺が流行っていたのでしょうか…
話のラストとして、ちょっとあまりいただけない終わり方でした
(とはいえ、イプセンの「ヘッダ・ガブレール」は19世紀を代表する戯曲として名高い作品なわけですが)
ただ、今回のドールンの対処(一旦、単なる事故として場を抑えた後、小声で真実を告げるというシーン)は、ヘッダ・ガブラーよりも一捻りが効いていてよかったと思います。
以上 TBスタジオ☆クラブの「かもめ」の劇評記事でした