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[劇評]大森カンパニープロディース「更地14」@ザ・スズナリ(下北沢)

遂にスズナリ進出を果たした更地。しかも、立ち見まで出る満員御礼という盛況ぶり。とはいえ、パワーアップしたとか、肩に力が入っているとかそういうことは一切なく(笑)、定常運転でありながら、こちらは本当に笑い転げた
劇団 大森カンパニー
題名 更地14
公演期間 2018/04/242018/04/29

故林広志

脚色/演出 大森ヒロシ
出演 山口良一 :観光が気になる反政府集団員(フォックス)、SP(逸見)、ヒーローショーの舞台監督、昭和初期のヤクザの叔父貴、代官様に文句を言いに行かせたい人(田吾作)
坂本岳大:観光が気になる反政府集団員(ジラフ)、アメリカかぶれの指物師(甚五郎)、SP(梶山)
浅井星光 :観光が気になる反政府集団員(ラット)、表向き楽しそうなサークル会員、昭和初期のヤクザに絡まれるの可哀想な母
近江谷太朗 :アメリカかぶれの指物師の親方(徳二)、バーゲン部コーチ、悩める仮面ライダー
大森ヒロシ :アメリカかぶれの指物師(正吉)、SP(西田)、地震でパニクる女子高生を居残りさせる担任、昭和初期のヤクザの兄貴、代官様に文句を言うのに仲間がついてきてくれない男(平助)
横山清崇 :アメリカかぶれの指物師に疑問を呈する新人指物師(大沢)、どうしても周りの人とコミュニケーションが上手く取れないダンス体質の男、
弘中麻紀:アメリカかぶれの指物師の家の女将さん(和代)、バーゲン部に何故か入部してしまったセレブ(鴻池)、昭和初期のアンデルセン童話の語り部、
三宅祐輔 :SPに助けを求める日本人、指物師のお得意さんの舞踊家、パニクる女子高生に心を落ち着かせる術を教える教師()、昭和初期のヤクザの鉄砲玉
ダイアナ・ガーネット :道を聞いたのにSPに敵扱いされた外国人、アメリカかぶれの指物師の師匠の英語の先生
田中真弓 :バーゲン部の主将(赤城)、表向き楽しそうなイベントサークルの先輩、地震でパニクる女子高生(?)、昭和時代の靴磨き少年、下町のカラオケ大会にゲストで呼ばれた大物歌手
今村美乃:バーゲン部の貧乏な家出身の若手(桜井)、大学でイベントサークルを探す新入生、指物ファンの下町のアコーディオン弾き(マリー)、昭和初期のヤクザに絡まれた可哀想な娘
劇場
ザ・スズナリ(下北沢)
観劇日 2018年04月29日(マチネ)

目次

内容は、いつもどおりのコント集

コントの一覧は以下の通り

各コントの内容は、細かく書きませんが、上記のキャストの役名のあたりの説明で察してください

先輩の扱いが酷すぎる(笑)

大森ヒロシさんのカンパニーですから、そりゃ一番えらいのは大森さんですが、今回はいつもにまして諸先輩へのツッコミが激しかったです

長い付き合いの山口良一さんへのツッコミの激しさはいつものことです

あえて、肌を露出させる衣装で、叩いた後が赤くなるのがわかるようにしといて、めちゃくちゃその胸をはたいてます。まじで山口良一さんの胸に真っ赤な手形がつくくらい

今回は、更に田中真弓さんへのツッコミも激しかったです

最初に田中真弓さんを舞台でみた時は、どんなにそこで動いている実物の田中さんを見ても声を聞くと「クリリン」にしか見えなかったのですが、ようやく最近田中さんが田中さんに見えてきました

と、そんな大ベテランの先輩女優を捕まえて、女子高生の格好ささせた挙句に頭を叩きまくっている大森さん

しかも、女子高生の格好をさせられた挙句に、床を何度も転がって…クリリンだって大ピンチです

もう、ひどい!と思いつつ実は今回の舞台で最も笑ったポイントだったりしました

実際、田中さんも山口さんも完全に美味しいとおもいながらはたかれてましたよね。きっと

三宅祐輔さんが面白すぎる

なんでこんなに面白いのか。単に出てきただけで面白いという稀有な才能としか言いようがありません

本業日本舞踊の方みたいですが、万が一そちらの舞台を観に行ったとしても笑い出さずに舞台上の三宅祐輔さん(=花柳輔蔵さん)を見ることができる自信がありません

今回も、特に地震が怖い女子高生(田中さん!?)に、地震が起きた時の避難の仕方を妙な動作で教えるコント(居残りパニック)は、多分一生しばらくはココロに残りつづける名作コントになっていました(コントというか、素の部分が出過ぎてて笑ってしまう反則技だと思いますが)

そんな三宅さんには、ぜひ内藤裕敬さんの「青木さん家の奥さん」に出演して欲しい

私が見たのは、1998年版ですが、とにかく三宅祐輔さんみたいな役者さんこそ出てくれると、面白さが倍増するという気がします

最近だと2012年に上演されています(すでに最近ではないが)

コントとして好きだったのは、反政府集団と底値No.1だった

一番笑わされたのは、上記田中真弓さんと三宅祐輔さんの活躍した「居残りパニック」だったのですが、コント的には最初の観光ポイントばかり気にする反政府集団ネタと、バーゲンに命をかける「こうしきバーゲン部」のネタが一番面白かったです

特に、バーゲンでお得品をゲットするために自主練する田中さん、弘中さん、今村さんの姿のシュールさと、「グランバザール」やイオンモールが決戦の場のように言われて、世界に出ていく舞台がウォルマートってあたりは結構ツボでした

ちなみに、「こうしきバーゲン部」の「こうしき」は、「公式」なのか「硬式」なのかどっちなんだろう…(なんかどっちでも意味が通る気がする)

初顔 ダイアナ・ガーネットさんには驚かされてばかり

完璧な金髪で、登場シーンで完全ネイティブな英語をしゃべる彼女についてはまったく知らなくて、舞台が進むに連れて驚かされるばかりでした

うぁ、日本語うまいなぁ

あ、アクションまでやってる(これは、でも今村さんとかにはちょっと叶ってなかったけど…)

え、歌こんなに上手いの…

帰りにWikipediaを見て5年前からテレビにも出ていて、CDまで出している方だと知りました。そりゃ上手いわけだ

最後に歌っていた曲も持ち歌だったのね

髪は、染めてらしたんですかね。このPV見ると黒髪ですね

せっかくその前に、田中真弓さんの大物歌手然とした歌があったのに、ほぼ前座のようになってしまっていました


注:私はルフィ世代ではありません

悩めるヒーローに共感しました

学生時代に、ぬいぐるみショーのバイトやっていた身として、仮面ライダーニンシキのネタも結構ツボでした

あそこまでではないにしても、最近の子供向け番組のヒーロー、すごく高尚なことを悩んでいたりして、本当に子供がわかってんのかなぁと思うことも多々

虚無と自己分析で闘うニンシキだって、あながち非現実的ではなかったりして..

女優のアクションが決まらない

今回は、今村さんや浅井さんのアクションの見せ場があまりなかったのは残念でした

今村さんのバク宙は、見どころなのですがイマイチ見せ場にならず

原因は、相手役だと思います。他の男優は最初から当てになならないにしても、大森ヒロシさん相手でさえ、アクションがヌルく見えてしまってちょっと可哀想

結構、更地では楽しみなポイントの一つなので、少し強い男性キャストを入れて思う存分アクションがあるコントも見てみたいと思いました

次は、いよいよ本多劇場!!

一番びっくりした発表だったかもしれません

題名の通りほぼノーセットの舞台で行うコントということで、小回りの効く小さな劇場で見るものだと思っていたこの舞台が遂に本多劇場進出とは…

来年楽しみにしたいと思います(変に力が入りすぎず通常運転が一番面白いとおもうので、そういうのが見れることを期待して)

以上 大森カンパニープロディース「更地14」の感想記事でした

過去の更地観劇の感想は以下

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[劇評]大森×故林「更地5」@シアター711(下北沢) - 演劇とかの感想文ブログ

短いコント的なものをつなぐ構造は、いつもの通り。今回は、個々の話の完成度も高く、いままで見た中では一番いいと思いました。コントの出来もさることながら、幕間の処理も素晴らしく、始まってから終わるままでが、気持ちが切れること無く、笑い続けてあっという間に舞台が終わりました劇団プロデュース・ユニット大森&故林公演期間2012/10/30~2012/11/06演出大森博作故林広志出演山口良一、深沢邦之、大森ヒロシ、浜田龍司、坂本岳大、松田かほり、浅井星光、小川奈那、なしお成、丸山未那子多分、更地を見に行ったのは3回目(2...
プロデュース・ユニット大森&故林「更地7」@シアター711(下北沢) - 演劇とかの感想文ブログ

大森カンパニーの「更地」は、何度も見ている気になっていまいしたが、5年ぶりくらいに伺った舞台でした。サラの舞台(更地)上で繰り広げられれる様々な世界感と物語に圧倒され、笑わされっぱなしの時間が続きました。この幸せな時間がずっとづづけばいいのにといういい所で、幕。楽しい!劇団大森カンパニープロデュース題名更地公演期間2017/10/03〜2017/10/09作故林広志演出大森博 出演大森ヒロシ:盗賊団の弟、敵討ちに来た男、SP、バンドのハーモニカ担当等山口良一:疲れた中華料理屋の客、仇討ちされ慣れた男、SP、バンドのパー...
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