演劇評論家の扇田昭彦氏が先日急逝されました。
「演劇評論家 扇田昭彦氏が急逝 悪性リンパ腫発覚から1週間で」
演劇評論家の扇田昭彦(せんだ・あきひこ)氏が22日、悪性リンパ腫のため死去した。74歳だった。(中略)
今月中旬まで、通常通りに原稿を執筆していたというが、不調を感じて受けた検査で悪性リンパ腫が発覚。1週間の入院後、22日午後9時1分に亡くなった。
つい先日、扇田昭彦氏の著書「舞台は語る」を読了したばかりだったので、この訃報を聞いてびっくりしました。
2002年に出版された「舞台は語る」は、1970年前後の以降つい最近までの多くの舞台やその舞台を生み出してきた劇団の姿を縦横無尽に語り尽くした評論集で、唐十郎さんや寺山修司さんのアングラと言われた時代の舞台から、ミュージカル、和製シェイクスピア、社会派演劇の台頭などが様々なテーマで語られています。
1980年代の終わりから演劇に目覚め、唐組や新宿梁山泊といった劇団の存在から、アングラ演劇を知り、解散間近の夢の遊眠社に衝撃をうけ…といった僕自身の観劇歴にとって、この評論集はどの切片を切り取っても興味深く、何度と無く読み返したい良書でした。
そんな理由で、実は、扇田昭彦氏なら、今の演劇シーンをどのように読み解いていくのだろうか、いつか続刊がでないものかと思っている矢先の訃報でした。
残念でなりません。ご冥福をお祈りします
舞台は語る―現代演劇とミュージカルの見方 (集英社新書)
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扇田 昭彦
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