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[訃報]米劇作家ニール・サイモン氏 死去 一番影響を受けたと自認する劇作家といえば、あの人

ブロードウェイに40作品以上の作品を発表し、トニー賞4回&ピューリッツァー賞までとった演劇界のレジェンド、ニール・サイモン氏がなくなりました

日本でも人気のあった作家さんですし、演劇界への影響も含めて記事にしてみたいと思います

ニール・サイモン氏死去。91歳

大往生と言っていいと思いますが、それにしても影響の大きな方がお亡くなりになったなぁという印象です

演劇作品も、わりと小劇場中心で見てきた私ですが、シェイクスピア、チェーホフの次に名前が出てくる外国人の作家さんだったと思います

私自身は、彼の作品の中で観劇したのは以下の2作品(というか事実上の1作品)ですが、強烈に印象に残っています

ニール・サイモンの傑作戯曲。古さ、海外ものの不自然さがほとんど感じられず役者のパワーに押されまくって大笑いした。演出及び超ハイテンションを最後まで持続させた役者陣にただただ感服。劇団シス・カンパニー題名おかしな2人(男編)公演期間2002/08/31-2002/10/30作ニール・サイモン演出鈴木裕美出演陣内孝則、段田安則、八嶋智人、高橋克実、手塚とおる、浅野和之、深浦加奈子、広岡由里子劇場PARCO劇場(渋谷)観劇日2002年10月5日(ソワレ)<<ストーリー>>妻と別れた散らかし放題の部屋に住み、問題をかかえる男(段田...
[劇評]PARCO「おかしなニ人(男編)」@PARCO劇場 - 演劇とかの感想文ブログ

先日見た男編と驚く程セリフや設定が似ておりここまでも似せても男編の脚本が立派に女編で生きている事に驚く。微妙に違うセリフや設定が逆にニール・サイモンの思いを伝えているように感じた。劇団PARCOプロデュース題名おかしな二人(女編)公演期間2002/08/31-2002/10/30作ニール・サイモン(山内あゆ子 翻訳)演出鈴木裕美出演小泉今日子、小林聡美、池津祥子、歌川椎子、深浦加奈子、広岡由里子、高橋克美、八嶋智人劇場PARCO劇場(渋谷)観劇日2002年10月12日(マチネ)ストーリー夫と別れた散らかし放題の部屋に住み、問題をかかえ...
[劇評]PARCO「おかしな二人(女編)」@PARCO劇場 - 演劇とかの感想文ブログ

16年も前の舞台ですが、今もいくつかのシーンは思い出せるし、本当に心に残るコメディとしては過去に見た中でも確実に上位に来ます
特に、女編の中で出てきた高橋克実さんと八嶋智人さんのコンビは、その後にテレビでも同じコンビで番組が行われた(絶対プロデューサーがこの舞台をみてたはず)ほどのハマりぶり

忘れられない舞台のクリエイターがまた一人この世を去ったというニュースは、やはり寂しいものです

ニール・サイモン作品は日本でも人気

ニール・サイモン氏の作品は、日本でも古くから人気があり、演劇感想文リンクでは一番古いものは1988年のものから劇評を読むことができます

ニール・サイモンさんの演劇作品の劇評/感想へのリンク集。最新の作のシス・カンパニーが上演した「23階の笑い(2020)」だけでなく、1984年以来の28作品の公演情報や劇評を読んで...
ニール・サイモンさんの公演についての劇評/感想のリンク | 演劇感想文リンク - 演劇感想文リンク

特に、サイモン氏の身の回りであった実話を元にしたという話の「おかしな二人」は本当に何度も上演されています(昨年も、上演されています)

一番、影響を受けたのは文句なしに三谷幸喜さん

彼に影響を受けたことを自他ともに認めているのは、日本のコメディの舞台/ドラマ/映画の第一人者になった三谷幸喜さんです

三谷幸喜さんの演劇作品の劇評/感想へのリンク集。最新の作のシス・カンパニーが上演した「23階の笑い(2020)」だけでなく、1991年以来の82作品の公演情報や劇評を読んでいただく...
三谷幸喜さんの公演についての劇評/感想のリンク | 演劇感想文リンク - 演劇感想文リンク

2013年にニール・サイモン氏の戯曲「ロスト・イン・ヨンカーズ」を演出することが決まったときのインタビュー記事にも以下のような一節があります

演出家の三谷幸喜が10月4日、パルコ劇場40周年記念公演「ロスト・イン・ヨンカーズ」の開幕直前会見に出席した。三谷が、敬愛するニール・サイモンの同名戯曲を初演出。学生時代に同劇場(当時は西武劇場)でサイモンによる「おかしな二人」(福田陽一郎
三谷幸喜“ルーツ”ニール・サイモンの戯曲を初演出「夢のよう」と感無量 : 映画ニュ... - 映画.com

三谷が、敬愛するニール・サイモンの同名戯曲を初演出。学生時代に同劇場(当時は西武劇場)でサイモンによる「おかしな二人」(福田陽一郎演出)を見たといい「今でも座席を覚えているほど。こういうお芝居を書きたいと思ったし、今の僕があるのもニール・サイモンのおかげ」と劇作家としての“ルーツ”に最敬礼。「ぜひパルコ劇場とニール・サイモンに恩返ししたい。まるで夢のよう」と感無量の面持ちだった。

ちなみに、この舞台の劇評は、以下で読めます

2013年10月にPARCO劇場がPARCO劇場で上演した舞台「ロスト・イン・ヨンカーズ」のレビュー/劇評のリンク集です。この作品は、ニール・サイモンさんの作品を三谷幸喜さんが演出...
ロスト・イン・ヨンカーズ(2013) | 演劇感想文リンク - 演劇感想文リンク

僕は見れませんでした、とても評判のよかった舞台です

そもそも、三谷幸喜さんの創設した劇団(現在休眠中)の名前「東京サンシャインボーイズ」にしても、ニール・サイモン氏の代表作の一つ「サンシャイン・ボーイズ」を元にしてのこと

私自身は、上記のようにニール・サイモン作品は、「おかしな二人」しか見ていないのですが、それでも三谷さんの作品と共通点を発見することができました

共通点があったのは、以下の舞台です

時代劇、暗転の多様など、今までに見た三谷作品とは違う雰囲気の芝居。しかし、休憩を挟んで3時間半にいたる舞台は、テンポもよく、計算されつくされた物語で、見ていて時間を忘れた。劇団PARCOプロデュース題名彦馬がゆく公演期間2002/01/08~2002/03/31作/演出三谷幸喜出演筒井道隆、酒井美紀、伊原剛志、松金よね子、小日向文世、松重豊、梶原善、阿南健治、温水洋一、本間憲一、大倉孝二、瀬戸カトリーヌ劇場PARCO劇場(渋谷)観劇日2002年2月2日(マチネ)<<ストーリー>>幕末、唯一の写真師神田彦馬の写真館には、さまざ...
[劇評]PARCO「彦馬がゆく」@PARCO劇場 - 演劇とかの感想文ブログ

実は、この舞台で失恋した町娘の酒井美紀が自殺すんじゃないかと思って周りが心配でしょうがないというシーンがあるのですが、その描き方がとても印象的で周り中の登場人物が彼女の後ろに一列に並んであるきまわるというシーンがあります

このシーン見たときに、面白い演出だなぁと感心したのですが、翌年「おかしな二人」を見たらそっくりなシーンがありました!!

なるほどねぇとか思ったのを今でも覚えています(上記のおかしな二人の劇評にも書いてますが)

ニール・サイモンさんはなくなっても、今後も日本も含め世界中で彼の作品は上演され続けるんだと思います

謹んでご冥福をお祈りいたします

以上 米劇作家のニール・サイモン氏の訃報についての記事でした

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