劇団 | 明治座 | |||||
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題名 | めんたいぴりり -未来永劫編- | |||||
公演期間 | 2019/09/22~2019/09/29 | |||||
作 |
東憲司 | 演出 | 東憲司 | |||
出演者 | 博多華丸、酒井美紀、大空ゆうひ、川原和久、藤吉久美子、ワッキー、斉藤優、ゴリけん、瀬口寛之、福場俊策、井上佳子、酒匂美代子、博多大吉、小松政夫、池下重大、入山学、乾弘満、上瀧征宏、チング ポカ、仲道和樹、松下笑一、山下晶、太田智子、小貫薫、河口明子、古賀今日子、下村結香、坪内陽子、本間みのり、山本由貴、中村太一、河野大司郎、平沢祥太朗、山下透羽 | 劇場 |
明治座(浜町)
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観劇日 | 2019/09/28(マチネ) |
目次
映画版に引き続き舞台版をついに観劇
もともとは福岡ローカルで朝ドラ的な15分枠を毎日放送という試みで始まったこのドラマ
2015年には、博多座で舞台版を大成功に終わらせたものの、いまいち東京では知名度がなくてとうとう当時は東京での舞台版の公演はありませんでした
それでもついに今年、映画化され全国上映されました
僕も見に行きました。博多華丸さんと富田靖子さんの夫婦愛を軸に語られる物語です。
2013年に福岡で放送が始まった伝説のドラマの映画化。辛子明太子という今では誰でもが知っている博多の名産品を作る男の話は、熱い想いが伝わってきて、ほんのりと温かいとても良い作品。東京で、今にも上演がおわってしまいそうなのがとても残念福岡でのみテレビ放送されていたドラマの待望の映画化2013年(今から6年前)に福岡でこのドラマが放送されたローカルドラマ桟敷童子の東憲司さんの脚本で、最近かなり気に入っている芸人さんの博多華丸さんと昔から好きな女優さんの富田靖子さん出演と言うことで気になっていたのに東京ではな... [映画評]江口カン監督「めんたいピリリ」@バルト9(新宿) - 演劇とかの感想文ブログ |
個人的な驚き(昔のバイト先が映像制作だったり、知り合いが参加している劇団の主宰が実はいまのふくやの社長(すなわちこの物語の主人公の孫))などもあり、もっと早くにこの物語に触れていればと思えた素敵な映画でした
オリジナルドラマの脚本は、東憲司さんでしたが、2015年版で福岡でやった舞台は、作は中島敦彦さん、演出はG2と東憲司さんはからんでおらず。
そして、映画版は脚本を東憲司さんが担当です
この東憲司さんは、僕が東京で出会ったお気に入りの劇団の劇団桟敷童子の主宰。東さんの舞台はたくさん見てる身としては、今回の2019年版が東憲司さんが作、演出というのも期待が膨らみました
明治座に初めて行きました
現在仕事で、水天宮乗り換えでお客様先に行く日々が続いているので、水天宮の駅に必ずはられている明治座公演中の舞台のポスターは見ていました
一方で、商業演劇中心の劇場ですし、今までなかなか行く機会がありませんでしたが、今回始めて伺いました。
劇場の立派さにまずはびっくり。
写真撮りませんでしたが、劇場内の売店の充実もすごいです。ほとんどミニデパート。
公演時間が12時開演で、15時15分終演ですが。間に35分間の休憩があるのも独特ですね。
基本、劇場で何かを買わない主義(どんどん部屋にものが増えていくので…)なのですが、今回はついふくやの商品を買ってしまいました(笑)
ここからはネタバレします
基本的には、映画版と変わらない
基本的な話の構造は、映画版と変わりません。
釜山生まれの主人公(俊之)が、釜山のお惣菜である辛子明太子をなんとか日本人の口に合うものにしようという物語です(NHKの「あさいち」で、ちょっと前のNHKの朝ドラのまんぷくの福岡版だと行っていましたが、まさに言い得て妙)
なかなか売れない辛子明太子を改良する日々、その日々の中で示す博多っ子らしいきっぷの良さを男気。
映画で語られた女房をなくした博多人形師の話(映画ではでんでんさんでしたが、今回は小松政夫さん)、貧しい子供に貧しいはずの主人公である俊之が小学校の先生(大空ゆうひさん)を通じて、遠足の靴やクリスマスプレゼントを上げる話などは同じでした
ただ、ー未来永劫編ーと名うつだけに映画では語られなかった東京進出や新幹線の開通に伴う全国に名前が売れていく過程などが少し触れられます
映画とは違うキャストの味が舞台に華を添える
大空ゆうひさんが歌う
酒井美紀さんとは異なる意味でのヒロインである小学校の先生役は、大空ゆうひさんでした
当然に歌うだろうと思っていたら、登場早々に酒によった勢いで「ケセラセラ」を熱唱。
ところが、素面だと人前で歌うときに緊張して歌えないという悩みを抱えている設定で歌うシーンがなかなか現れません。
それだけに、明太子のちから(しかも減らない明太子のちから)で、熱唱するラストシーンは心に残るシーンになりました
小松政夫さんに泣かされた
さすがの博多弁ネイティブの小松政夫さん、往年のギャグを全て見せていただきました。
この歳にして憧れのしらけどり音頭、電線音頭をライブで見れるとは思いませんでした
しかし、一番の見せ場は自殺した後に登場する小松さんが物悲しく歌う「いわいめでた」
こんなに物悲しい祝いめでたを初めて聞きました、このあたりで私の涙腺は崩壊しました
けして博多が生まれ故郷というわけではありませんが、櫛田神社の近所に5年も住むとこういう音色に心動かされるものなんですかね(住んでたのは20年以上前の話ですが)
桟敷童子のコンビ復活!
メインのポスター等に名前がなかった上、印象が随分違っていたので芝居が終わってロビーでチラシを手に入れるまで気づきませんでしたが、辛子明太子のコピーを作って一山当てようと頑張る男役は、最近まで桟敷童子にいた池下重大さんでした
桟敷の舞台で見ることがなくなったので寂しい思いをしていましたが、思わぬところでコンビが復活していたのは嬉しかったです
印象に残る役でしたが、メガネに帽子という出で立ちで舞台を見ている最中に池下さんだと気づけなかったのは悔しかった。
東憲司さんの面目躍如
残念ながら2015年博多座版は見ることができなかったので、2019年版と比較することはできませんが、多分相当に別物だったのではないかと想像しています
というのも、 東憲司さんが桟敷童子でやっていることが舞台上で再現されまくりだったからです
途中から明治座にいるのか、(桟敷童子のホームの)すみだパークスタジオにいるのかわからなくなりました
まず、明治座でまさか屋台崩しをやってくるとは思いませんでした
ふくのやの2階に立つ二人を残して、まわりの家のセットが全てはけて舞台奥の景色がぱぁーと開ける様はまさにテント芝居や桟敷童子に普段の舞台を思わせる開放感でした
ここで芝居が終わるのかと本気で思いました
なんか序盤から列車が来るとか、列車に乗ってあの世に行くとか映画ではまったく触れられていない列車の話が出てきていましたが、まさか最後にあの世からのお迎えが蒸気機関車が来るとはおもいませんでした
以下のおけぴネットさんの記事中に写真がありますが、本気の蒸気機関車が舞台上に現れたときには仰天しました
「福岡代表として甲子園の舞台に立つような心境です。キャスト一同、力を合わせて毎日が初日で毎日が千穐楽のように頑張ります。ぜひ劇場へお運びください」(博多華丸さん/初日囲み取材より) 『めんたいぴりり』は2013年テレビドラマとして誕生しました(テレビ西日本)。博多土産の定番!辛子明太子の誕生を描いた「明太子をつくった男」(川原健・著)を原作にした笑いあり涙ありのドラマは大反響を呼び、2015年3月 『めんたいぴりり 未来永劫編』明治座公演開幕レポート - |
とともに、桟敷童子の過去作品を思い出しました。2012年に見た「泳ぐ機関車」です
劇団桟敷童子公演期間2012/12/13~2012/12/25演出東憲司作サジキドウジ出演池下重大、椎名りお、中井理恵、徳留香織、大手忍、板垣桃子、桑原勝行、原口健太郎、もりちえ、川原洋子、山本亘、山本あさみ、中野英樹、稲葉能敬、深津紀暁、井上昌徳、白石健太、新井結香、鈴木めぐみ、外山博美いつもながらの役者の熱演と情熱を注ぎすぎてる感もある劇場装置のスペクタルを十分に堪能できた。物語も主人公の少年よりも、その父親役(池下重大)に感情移入をしてしまい、ぐっと来るシーンが多数。ただ、桟敷童子といえば炭鉱の物語....と... 劇団桟敷童子「泳ぐ機関車」@すみだパークスタジオ - 演劇とかの感想文ブログ |
この舞台でも、劇場内に突然現れた原寸大の機関車に度肝を抜かれましたが、まさかその再現が明治座で見れるとは思いませんでした
スケールの大きな舞台装置と妙に具体的な幻想シーンという東憲司ワールドを体感することができました
以上 明治座公演「めんたいぴりり 未来永劫編」の劇評記事でした
明治座でつい以下の商品をかってしまいました。