座席がものすごくよかったことも手伝ってか、概ね満足できる出来。元々、このストーリーが恋愛ものになることに抵抗感があったが、今回の公演を見てようやくつかさんの意図がわかったような気がする。ただ、春田さんを除く俳優さんの演技は、高レベルにあるといえず、ちょっと見ていてつらいところもあった。
劇団 | 北区つかこうへい劇団 | ||||
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題名 | 新・飛龍伝〜私のザンパノ | ||||
公演期間 | 2001/08/17~2001/08/30 | ||||
作・演出 | つかこうへい | ||||
出演 | 山本哲也,赤塚篤紀,嶋祐一郎,友部康志,黒川恭佑,渡辺和徳,岩崎雄一,吉田一人,及川以蔵,吉浦陽二,踊場英佑,酒井隆之,吉田学,とめ貴志,川畑博稔,古賀豊,石垣広文,井上直己,代田正彦,鈴木智美,武田義晴,内田有紀,春田純一,小川岳男 | ||||
劇団 | 北とぴあ さくらホール(王子) | ||||
観劇日 | 2001年08月18日(ソワレ) |
<<ストーリー>>
高松の田舎から出てきた神林美智子は、策謀の果てに全共闘40万人の学生達の頂点に立つ。その美貌とやさしさ故に、二人の敵対する男に愛された彼女は….
<<感想>>
北区つかこうへい劇団8期生内田有紀主演の二作目。
といっても、一回目の公演「銀ちゃんが逝く」は見ていないのだが….
また、90年以降何度も公演されたこの脚本も、実はつかさんが演出するのを見るのは今回が初めて….理由は、「全共闘版ロミオとジュリエット」というつかさんの最近の演出意図に拒否反応を起こしていた為。
元々この脚本に出会った時、70年代の全共闘の時代を色濃く残す機動隊対全共闘の男の闘いとして捕らえて読んでしまった為、90年の再演時のつかさんの演出意図を何かの雑誌で読んだ時に、愕然とし避けて通ってきたのです。
というわけで、個人的には、色々な思いをもって見に行ったのですが….結局そんな思惑等何も気にすることなく楽しんでみる事ができました。結局始まってしまえば、元々好きなハデハデで、もの哀しい、つかさんの演出にのめりこみましたし、内田有紀はかわいいし….。終わった時には、こういう飛龍伝もいいなぁと思ってしまった。(なんていいかげんな私)
ただ、これはもうどうしようもないことなんですが、いくつか苦言を
・春田純一さん。いい役者です。かっこいいです。でも、さすがに東大生にはというか学生に見える年ではないです。春田さんが、桂木をやっちゃいけないんじゃないだろうか?特に回りの役者がまぁまぁ若い人なので余計に目立ってしまいます。
・内田有紀さん。これは、もうつかさんの演出の舞台に出ているテレビ出身の女優さんを見るたびに思うのですが(「幕末純情伝」の藤谷美和子とか)殺陣….なんとかならないのでしょうか。もう少し、かっこよくなる気がするのですが….基礎体力とかの問題なのかぁ。刀を振り回すたびに、よろめいている気がするのですが….
・何人かの役者さん。かんでしまうのは、どうしようもないのかもしれませんが、見てい続けるのがつらい役者さんがいます。芝居は、テンションだけではないのですが…力を抜く演技が欲しいなと思ってしまいます。そういうのがないと見ていてつらいんです。
ちなみに、春先に見た「飛龍伝ドットコム」では「大人の飛龍伝がみたい」といった私。でも、この芝居も大人ではなかった。(春田さんは大人すぎるし….)
結局、学生が主役のこの芝居あまり大人に拘るのも難しいのかなぁ。(幼くなく、老いてなく、稚拙ではなく、老成しておらず….という微妙な部分どうやら僕は求めているらしい)