役者の発声や動き方、台詞、スタッフワークどれをとってもほぼ完璧だと思う。そういった意味で、私が見に行く劇団の中であまり名前が知られていない劇団の中ではずば抜けていると思う
自分でも、不思議なのは、それでもこの芝居から感動を受けることができず、人に薦めるほどの作品と思えないこと
全てが平均点過ぎて、逆に印象が薄まってしまっているような気がした。
劇団 | パラノイアエイジ | ||||
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題名 | 幕末異聞-夢想敗軍記 | ||||
公演期間 | 2005/02/02〜2005/02/06 | ||||
作/演出 | 佐藤伸之 | ||||
出演 | 伊藤カショウ、長縄龍郎、石井雅教、岩崎秀、今力、助川玲、ヂィーニャス宮川、篠原要、伊藤貴子、近藤幸、佐藤伸之、秋場千鶴子、堀川扶佐子、加藤智子、山岸恵美子、桜舞、藤原美穂、流野精四郎、村木昌彦、若林達也、伊藤善弘、伊東武志、松本拓哉、加藤敦洋 | ||||
劇場 | スペース107(新宿) | ||||
観劇日 | 2005年2月5日(ソワレ) |
【ストーリー】
幕末維新のころの、庄内藩。時の家老と対立関係にあった元仙台領主の剣術指南役 酒井は、日和見砦といわれる前線から遠くはなれた砦の守護を任されていた。
そこに、新撰組を抜けた原田左之助、永倉新八が現れた。
時の家老を初めとする庄内藩の中心は、これを機会に原田、永倉を含めて酒井たちをも討とうとするが…
【感想】
なんだかんだ言いながら、既に足を運ぶのが三回目。少しづつお気に入りの役者さん(伊藤貴子さんとか….)が出てきて見に行くのは少し楽しみ。
見終わった結果は、とても、よく出来た舞台で、安心してみていられる佳作という印象。
ただ、何故かすっきりとした感動がない。
脚本も悪くない。(大河みていなかったら、前後関係はわからなかったと思うけど)役者は素晴らしいと思う。殺陣も良いし、音響効果、照明、舞台装置も突っ込みどころがない。
つくづく贅沢な悩みだと思うが、何かが一つずば抜けていればこの劇団は、一気にスターダムに上がれる気がする。今は全てが平均点過ぎてひっかかるものがない。役者か脚本か、はたまた何か別のものか….基礎がものすごくしっかりしている為に、惜しい気がしてしょうがない。
前回(夜之音、月之香)、ほとんどしゃべる事がなかった、秋葉さんの役は良かったです。張り詰めた男の世界のような今回の舞台の中で、ほっとさせる別の空気を作れるというのはこの方の他に変えがたい良さだとおもいました。
男の子の役の伊藤貴子さん、近藤幸さんも良かったです。この二人を見ていて役の内容もそうですが、本当に芝居を楽しんでいるという感じが伝わってきました。舞台上の笑顔が心からの笑顔に見えてみていて和みました。
後、前回(夜之音、月之香)さむーい前説をやっていた長縄さんは、今回の永倉役はかっこ良かったです。ただ、これは誰のせいでもなく(しいていえば三谷幸喜さんのせい?)僕の中での永倉はあんなに軽くない。(逆にいうと原田はあんなに真面目じゃない)為、芝居中始終違和感にとらわれていました。
全体としては、よく出来ています。何か、冒険をすることがこの劇団を他にお勧めできるようになるきっかけになるとおもうのですが