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[劇評]PARCO「おかしなニ人(男編)」@PARCO劇場

ニール・サイモンの傑作戯曲。古さ、海外ものの不自然さがほとんど感じられず役者のパワーに押されまくって大笑いした。演出及び超ハイテンションを最後まで持続させた役者陣にただただ感服。

劇団 シス・カンパニー
題名 おかしな2人(男編)
公演期間 2002/08/31-2002/10/30
ニール・サイモン 演出 鈴木裕美
出演 陣内孝則、段田安則、八嶋智人、高橋克実、手塚とおる、浅野和之、深浦加奈子、広岡由里子
劇場 PARCO劇場(渋谷)
観劇日 2002年10月5日(ソワレ)

<<ストーリー>>

妻と別れた散らかし放題の部屋に住み、問題をかかえる男(段田)の部屋にひょんなことから友達のもう一人(陣内)が妻とわかれて一緒に住むことに。しかし、その男(陣内)は超潔癖症だったが故に二人の間はどんどん険悪になっていき….

<<感想>>

PARCOプロデュースらしいオールスターキャスト。しかも男版女版二本立て。但し、洋物脚本をPARCOがやるとたまぁーにはずすのも事実。

ちょっとどきどきしながら劇場に足を踏み入れた。

とんでもなく散らかった段田さんの部屋が舞台(なんか親近感を感じる)。と、そこに転がり込んでくる超潔癖症の陣内さん。この二人のパワーが凄い。

 

本気でけんかをしているような体当たりの演技。はっきりいって芸達者なはずの周りのキャストが引きずられているような印象さえある。こんなハイテンションな陣内さんや段田さんを見るのはいつ以来だろう。段田さんなんてそれこそ遊眠社以来みるテンションの高さのような気がする。

 

おかげで、当初心配はまったくなかった。休憩を挟んで2時間半の舞台ほとんど飽きる事無く見ることができた。

 

途中で、洋物っぽいちょっと厳しいセリフ回しによるギャグ(イギリス女性がアメリカのスラングを一生懸命使うという設定)はちょっと苦しいものがあったが、それ以外で洋物脚本による違和感はほとんどなかった。

 

逆に、笑いながらこの脚本でニール・サイモンが取り上げたセカンド・シングルの男女達の悲哀みたいなものは、アメリカが舞台だからこそ伝わってくるのだなと感じ、今更ながらニール・サイモンの凄さを実感した。

 

ちなみに、三谷幸喜さんの舞台彦馬が行く」の中で、酒井美紀さん自殺するんじゃないかと周りが心配して、井戸に行くのに「一人で行くの?」と訊いたり、酒井さんの後をぞろぞろ家人がついて行くというシーンはこの「おかしな二人」の中にあるシーンとそっくり。ニール・サイモンをこよなく愛する三谷さんの思いをこんなところで感じた。

 

しかし、今改めて自分の部屋を見回して思うのだが…舞台上の陣内さんのような男が一週間で言いから僕の部屋に住まないかなぁ。一週間だけでいいんだけど

[劇評]PARCO「彦馬がゆく」@ル・テアトル銀座

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