野田さんの舞台にしては、珍しく(ないか?あまり記憶がない)息詰るような緊迫感が全編にあふれる。
松たか子さんのシャープな台詞回し、あまり色身のない舞台装置、様々な椅子だけで舞台を形作る演出手法、何か息をすることさえ忘れそうな緊張感が客席にまで伝わってくる。
野田さんの舞台では本当に久しぶりに見る段田さんの演技が心地よい。こんなに久しぶりなのに、最もはまっているように感じる。最後のあたりに英を追い詰めるシーンは秀逸だ。
最近の野田さんの舞台の中でも、好きな作品になりそうです。
劇団 | 野田地図 | ||||
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題名 | 贋作 罪と罰 | ||||
公演期間 | 2005/12/06~2006/01/29 | ||||
作/演出 | 野田秀樹 | ||||
出演 | 松たか子、古田新太[劇団☆新感線]、段田安則、宇梶剛士[damim]、美波、中村まこと[猫のホテル]、マギー、小松和重[サモアリナンズ]、右近健一[劇団☆新感線]、進藤健太郎[無名塾]、村岡希美[ナイロン100℃] | ||||
劇場 | シアターコクーン(渋谷) | ||||
観劇日 | 2005年12月10日(ソワレ) |
【ストーリー】
この複雑なストーリーをきちんと説明できる自信はありません。是非小説をお読みください。(こればっか)
【感想】
コクーンの客席の配置を変えた、中央を両サイドから見下ろすタイプの舞台。昔見た「農業少女」を少し思い出しました。
といっても、規模はこっちの方がぜんぜん大きいですが。
突然開演する舞台、ほぼすべてのシーンで役者が舞台にでっぱなしで、周り(観客だけでなく、出番を終えた役者)が見守る中で進む芝居は、緊張感にあふれています。
松たか子さんは、こういうシャープな舞台に会う役者さんかもしれません。前回の大竹しのぶさん版をみていないので、なんともいえませんが、この舞台の英の役どころのイメージに近い気がします。
逆に、坂本竜馬はかっこよさが少したりません。台詞的にはかっこいいのですが….何度も言っていることですが、すこし痩せてください。古田さん!!!
ドストエフスキーの罪と罰を読んだのはいつのことだろう。ほとんど忘れかけていたストーリーをこの舞台を見ている最中に何度となく蘇ってきた。
ロシア革命の時期(だっけ?)の小説世界を幕末の日本に置き換えた野田さんの発想力に感服。
もう一度、原作を読むかなぁと終わったあとで思いました。いや、1000ページもの大著なので、なかなか決心はつきませんが。