劇団 | 空想天象儀×演劇ユニット虹色cafe | ||||
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公演期間 | 2013/02/14~2013/02/17 | ||||
演出 | 瀬良浩介/新井咲子 | 作 | 鴻上尚史 | ||
出演 | <チーム星>加藤敦洋、新井咲子、川吹カケル<チーム虹>瀬良浩介、羽瀬文野、いどっち |
たった三人の出演者でありながら、2時間の舞台。あまり快適な劇場環境ではないこともあり、少し心配しながら見ていましたが、結果としては2時間強の時間を感じさせない舞台。名作と呼ばれる脚本の素晴らしさと、肩肘張らない演出と、楽しそうに演じる役者さんの力だと思いました。
以下詳細…
超有名なこの脚本。実は未見。「トランス」という題名の意味が、見ていてようやくわかりました。途中までは、「なんか、よくある設定だよなぁ、精神科医とか二重人格とか….」と思ったけど、この脚本の発表時期を考えると、この舞台の影響を受けた舞台を見続けていただけなのかもしれません。
脚本的にはちょっと古いセリフが頻発するところも逆に面白かった。うまいこと処理できるところはセリフを変えているみたいでしたが。(ゴスロリとかメイドって93年頃にもあったっけ?)
天皇制に対しての舞台上の取り扱いは、なんか微妙というか、鴻上さんってこんなふうに考えていたんだなぁと改めて感じました。90年台初頭は、ちょうど平成になったばかりで、そういえば、天皇制ってなんだろうと思っていた時代の雰囲気が色濃く残っているなぁと感じながら見てました。
加藤さんの演技はひょうひょうとしていて、この複数人格が宿る難しい役をよくこなしていたと思います。しいていえば、オヤジギャグをもうちょい「やってやった感」満載に入って欲しかった。なんか自信無さげな感じが、ちょっとギャグのキレを削いでいたような気がします。
新井さん、元気な女性だなぁと思ってみていましたが、欲を言えばもうちょい加藤さんに対する愛情みたいな物がもう少し見えても良かったのかなぁ。
伊吹さんは、ガタイのよさと役の内容がマッチしていました。新宿勤務の私としては、新宿近辺にいそうだなぁとマジに思いました。オカマの愛情の男性的な激しさと女性的な持続力を兼ね備えた表現(あくまで想像ですが)が伝わってきて、少しジーンとくるところもありました。
ただ、3人の関係性とか親密さはまだ表現されきれていなかった気がします。三人の感情の絡み合うあたりが、唐突感があって(突然、結婚したいと言い出したり、離れたくないとか言い出したり…というあたり)ちょっと冷めました。もしかしたら、三人が久しぶりに出会ってから、劇後半に突入するまでの劇中の時間経過がうまくこちらに伝わってきてなかったのかもしれないなと思いました。
そういえば、劇中の観客参加型インディアンポーカーは面白かったです。客席を巻き込む舞台は色々ありますが、このくらいの参加度合いがなんか一番参加しやすい感じでした。でも、客席が両側から舞台を見る舞台セット、まさかこのゲームの為にだけそうなったわけではないよね。。。。