何かと水谷さんの芝居で見ることの多い小宮さんの一人芝居。弁護士であり、一人の中年男である主人公の心情はたった1時間の中で語られるものとしては、秀逸。ただ、笑えるとはいえ、小宮さんの奇病癖のような演技は、ちょっと過剰な感じがした。
劇団 | 小宮孝泰 | ||||
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題名 | 接見 | ||||
公演期間 | 2003/11/09 | ||||
作・演出 | 水谷龍二 | ||||
出演 | 小宮孝泰 | ||||
劇場 | OFFOFFシアター(下北沢) | ||||
観劇日 | 2003年11月9日(マチネ) |
【ストーリー】
暴行事件の容疑で拘留される留置所の中年男の前に接見しに現れたのは、同じ中年男の弁護士。彼は、接見を通じて拘留中の被疑者の無罪を確信するが、急に被疑者は自分が暴行事件をやったと自供しはじめる…
【感想】
水谷さんの芝居でも、いつもいい感じの役を演じる小宮さんの為に3年前に書き下ろしたという一人芝居。非常に演技もこなれており、相当に出来は良い。
芝居の時間も1時間強という長さで、ともすれば飽きがくるのではないかと構えてしまう一人芝居としてはとても見やすい長さ。
勿論、ほんものの小宮さんとは違うが、それでも小宮さんと同い年の中年男二人(といっても劇中で語りかける被疑者は、一度も姿を見せることはないが)の登場人物は、どこか小宮さんそのものを反映しているようで、ストーリーとその演技に引きこまれる。
これから、何年かしたらまた見たいと思わせる舞台。ライフワークのようなこんなストーリーをもつ役者さんは幸せだなとつくづく思う。
笑えるからいいのかもしれないが、個人的には、奇病(というか奇妙な動作)をする小宮さんの演技は他の部分に比べて過剰な気がしてちょっとひいた。
笑えるというよりも可哀想な気がしてしまった。感情移入が激しかったからか。