昔見たドラマの印象が強い上に、芝居自体もドラマ的にエピソードを暗転で繋ぐというタイプで、見ていて集中が途切れる。芝居全体にこれといった山場もなく見ていてあまり印象が残らない芝居だった。
劇団 | こまつ座 | ||||
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題名 | 國語元年 | ||||
公演期間 | 2002/03/07~2002/04/30 | ||||
作 | 井上ひさし | 演出 | 栗山民也 | ||
出演 | 佐藤B作、たかお鷹、山本龍二、角間進、小市漫太郎、後藤浩明、沖恂一郎、土居裕子、田根楽子、野々村のん、三鴨絵里子、剣幸 | ||||
北とぴあ(王子) | |||||
観劇日 | 2002年4月13日(マチネ) |
<<ストーリー>>
明治七年半年がかりの大仕事小学唱歌集の編纂を終えた南郷清之輔に次に示された使命は、「全国の話し言葉を統一せよ!」
南郷家は、まさに方言のるつぼ。その中で試行錯誤苦心惨憺、ついに南郷清之助は「文明開化語」の開発に成功する。しかし、その案を持って文部省に登庁した彼が受けた仕打ちは….
<<感想>>
何年前か忘れたが、NHKの連続ドラマで見たのが、この芝居と同じ「国語元年」だった。川谷拓三さんの演ずる主人公(南郷清之輔)の苦悩が子供心に印象深く、今回の芝居のチラシを見たときにぜひ見たいと思った作品。残念ながら、紀伊国屋ホールの公演のチケットは買えなかったが、追加公演のチケットが運良く手に入りようやくの観劇。
それだけに期待が高かったし、設定の面白さはドラマの時のそのままでよかった。
虚実がはっきりしない話ながら、明治の初め頃に全国の言葉を統一するように命ぜられた男が文部省にいたという話は中々興味深いし、創作だとしてもありそうな話と思わせる何かがある。そのくらい明治初期の政府は無茶苦茶な改革を平然と発想し実行したと思う。(できるできないはともかく、とりあえずやってみるとという野蛮さがあったように思う)
ドラマとしての面白さ、設定の面白さはしかし、必ずしも芝居の面白さに直結しなかったようだった。
ドラマが元だったせいか、ストーリーは暗転でたびたび区切られるという構成及び休憩込みで2時間半ほどの舞台の上演時間は芝居に対する集中力を妨げこそすれ、よい事はほとんどなかった気がする。
幻の小学唱歌を舞台のアクセントに使う手法は、さすがと思ったが暗転が多く、集中力がとぎれるというこの芝居の欠点をカバーするまでにはいたらなかったようだ。
舞台上のストーリーよりも、かつてみたドラマのイメージをオーバーラップすることの方が多く、正直期待はずれな印象であった。