1997年に見て印象が強かった作品。その後の再演に足を運べておらず、今回も結構偶然に近く見ることができた舞台。27年前の記憶が風化はしていても、芝居の面白さは変わらず。13人もの各劇団を代表する男優陣の充実が芝居の作りにそのまま現れた印象でした
劇団 | 日本の劇団 | |||||
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題名 | 第17捕虜収容所 | |||||
公演期間 | 2024/4/25~2024/4/29 | |||||
作 |
ドナルド・ビーヴァン、エドモンド・トチンスキー、たかしまちせこ(翻訳) | 演出 | 早川康介 | |||
出演者 |
多田直人(キャラメルボックス):セフトン(攻撃的で、みんなからドイツ人スパイと疑われる) 浅野康之(劇団鹿殺し):ハリー(陽気) 倉貫匡弘(TRASHMASTERS):プライス(リーダーの補佐役) 鈴木翔音(スタジオライフ):ホフマン(リーダー) 岡本篤(劇団チョコレートケーキ):監察官(中立的) 鹿野宗健(劇団青年座):ダンバー(新入り。実家が金持ち) 井上ほたてひも(ポップンマッシュルームチキン野郎):ストッシュ(馬鹿に見えるが実は) 原口健太郎(劇団桟敷童子):ナチ大尉(規律を重んじる) 永澤洋(花組芝居):デューク(他棟所属の連絡係) 渡辺慎平(劇団昴):シュルツ(ドイツ人の気の良い軍曹) 花戸祐介(クロムモリブデン):リード(新入り。口が軽い) 栗原功平(劇団スーパー・エキセントリック・シアター):ホーニー(しゃべれない) 白倉基陽(劇団スーパー・エキセントリック・シアター):ドイツ兵(買収されやすい) |
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劇場 | シアターブラッツ(新宿三丁目) | |||||
観劇日 | 2024/4/27(マチネ) |
有名作も最近の上演がなかった名作
もともとは1954年の映画がもとのようです。1997年から2008年にかけて、自転車キンクリートの飯島早苗さんの翻訳脚本、鈴木裕美さんの演出で上演されています。
私は、1997年のバージョンを見ていて、実はこのブログの前身であるHPに乗せたブログ記事の中でもかなり初期の記事で感想をまとめています(以下は、その記事をこのブログに移植したもの。当時は、ブログと言う言葉させありませんでした😓)
29歳の当時のワタシから見ると、捕虜たちがジャストな年齢で、その目線でみてたわけですが、時が立つことにより目線は息子のような若者を見る父親のような目線に変わってしまいました
今回の舞台出演者のほとんどは知らない俳優でしたが、それでも十分以上に楽しむことができたのは、もちろん、老舗劇団の代表となる役者さんを集めた座組によるパワーと、その座組にぴったりな白熱演技を要求するこの脚本の力があったと思います
実力者揃いの俳優陣
1997年に見た際の印象が強く、スパイが誰かというこの物語の根幹に関わる謎は割と早い段階で思い出してました。セフトンがスパイではないというのは見始める前から思い出していたので、そのへんのハラハラ感は感じられなかったかもしれません。
その分、個々の役者さんの演技に集中することができました
セフトン役の多田さんは、言葉が悪く声を荒げることが多い見るからに悪役を演じているのですが、素の優しさのようなものが随所にかんじられてしまい、迫力に掛けるかなぁと思いました。とはいえ、物語全体をひっぱる責任感のようなものをひしひしと感じられる好演でした
最後のあたりの、ネタバレし、ダンバーを連れて逃亡を図るシーンの説明のあたりの演技がある意
ストッシュ役の井上さん、バカな役がはまり役で(失礼🙏)、喋っているとついつい見てしまう特徴のある俳優さんでした。見たことのない劇団でしたが、ちょっと劇団のことも気になりました
シュルツ役の渡辺さん、前回この物語を見たとき(1997年)が、佐藤正宏さんというコメディ系の方がやっていらしたためコメディ的な演技を期待していましたが、とても真面目な感じで新たなシュルツ像を見れた気がします
ハリー役の浅野さん、ひょうきんな感じで舞台を明るく保っていました
デューク役の永澤さん、高めな声で印象に残りました。在籍劇団が花組芝居ときいてなるほどなと。女形も確かに似合いそう🤔
芝居がよく見えるという意味では、良かったのですが照明が結構明るいシーンが多く、収容所の暗さをあまり実感できなかったように思いました。
数少ない見覚えがある(ありすぎる)桟敷童子の原口さん、チョコレートケーキの岡本さんは登場シーンが少なくて少々残念でしたが、御本人のキャラにとても良くあった役だったので、出てきたときは、心のなかで拍手をしていました。(見る前の予想と原口さんはピタリと会いました。岡本さんの役は、個人的にはシュルツを予想していたので、少々意外でした)
劇団カラーってでるよな
役者さんそのものは存じ上げなくても、見に行ったことのある劇団の方も出演していまいした。
個人的には、花組芝居、スタジオライフから今回参加されていた永澤さん、鈴木さんは終演後にちらしなどでその役柄やキャラクターと出身劇団を弾き比べるとなるほどなあと思うところありました
当然劇団内でのキャラクターの違いはあるであろうとも、こうやって他の劇団の方に混じって芝居をされているとそういったカラーが出てくるのは不思議だなと思い、またこの座組による舞台作品を見る面白さかもしれないと思いました。
桟敷の原口さんやチョコレートケーキの岡本さんはよく見すぎていて、劇団カラーを体現しているかどうかは逆に判断できず🤣
前日の夜に急にとった割にはかなりの良作で、公演期間の短さと満席でなかった客席が少々もったいない舞台でした
秋には、12人のいかれる男をやるとか。タイミングあえばまた見たいなと覆う座組でした。
私が管理している演劇感想文リンクでは、2008年版、2001年版、1997年版の感想を読むことができます
(現在、演劇感想文リンクの更新はお休みしています🙇♀️)
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