SF好きの僕としては、100点満点の舞台でした。新宿にも縁があったので出てくる固有名詞とかも馴染み深く、初観劇の劇団でしたが、次回作もまたぜひ観たいと思える内容でした
劇団 | アガリスクエンターテイメント | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
題名 | なかなか失われない30年 | |||||
公演期間 | 2024年4月27日~2024年5月6日 | |||||
作 |
冨坂友 | 演出 | 冨坂友 | |||
出演者 |
伊藤圭太:河田誠一(ビルオーナー、2024年人) 淺越岳人:常本誠(電気屋さん、2024年人) 北川竜二:大黒(組長、1994年人) 山下雷舞:中山(大黒の子分で組員、1994年人) 古谷蓮:広瀬(アルバイト店員、1994年人) 矢吹ジャンプ:藤井(闇金常習利用者、1994年人) 榎並夕起:アイ(デリヘル嬢、恩師が顧客、2004年人) 鹿島ゆきこ:クミ(デリヘル嬢、ママ友の旦那が顧客、2004年人) 雛形羽衣:ヒカル(デリヘル嬢、国連の上司が顧客、2004年人) 兼行凛:ミカ(デリヘル嬢、親戚が顧客、2004年人) 斎藤コータ:渡辺ZIN(劇団主催、2014年人) 前田友里子:タカハシマオミ(劇団創立メンバー、2014年人) 江益凛:大島晶(主演女優客演、2014年人) 菊池泰生:松井大輔(真面目な劇団員、2014年人) |
|||||
劇場 | THEATER/TOPS(新宿) | |||||
観劇日 | 2024年4月28日(マチネ) |
目次
初観劇の劇団、アガリスクエンターテイメント!
初観劇の劇団でした。最近は、広島在住になったこともあり、自分の東京滞在スケジュールに合うタイミングで上演している公演を探すということが多々あります
この劇団は、そんな中で発見した劇団でした。とはいえ、名前は当然知っていましたし、2020年の緊急事態宣言中にZoomで上演された「十二人の優しいい日本人」の演出を手掛けたことで、座長の富坂友さんのことは知っていた。最近のウェルメイドなコメディを作る劇団だという話を知っていて、今回初観劇に至りました
上記以外の情報まったくなし。役者さんも誰一人知らない劇団さんでしたが、結論とても楽しむことができました
新宿30年史を感じるタイムスリップコメディ
登場人物のヤクザの構成員と思しき男と同じくらいSFが好きな私としては、タイムスリップものの小説も色々読んでいますが、この話はあまり似た設定をきいたことがない舞台に特化したようなタイムスリップものです
人やマシンがあらわれず、ブレーカーを落とすたびに1994年、2004年、2014年のその部屋にいた人物と一部のものが2024年の部屋に現れます
しかも、現れた人は他の時代の人と会話もできるし他の時代のものを部屋の中で触ることができる
そして、部屋の外に出たり、窓から眺める景色はその本人たちが属していた時代そのものになるということ….
こんな設定が、2時間ほどの時間できちんと観客に理解させてしかも破綻のない物語に仕上げるのがいかに困難か想像するさせ難しいのですが、この芝居で成功しています
実は、当日配られている紙パンフに、結構なネタバレに近い配役紹介があって、こんなの読んで芝居楽しめるのかなぁと不安になりましたが読んどいてよかったと思いました
ちゃんとその内容が補助線になって、理解を助けてくれた上、大事なところは書かれていないので十分に楽しめました
しかも、舞台は新宿。僕自身が、1991年は仕事場が近かったことから頻繁に新宿で呑んでいて、2009年から2019年まで西新宿にある会社に勤めていたことから、舞台上の設定がとても身近に感じることができる話ばかりでした(別に闇金とかデリヘルとかにお世話になったという意味ではない🤣)
俳優は知らないが、魅力的な方が多い
見事なまでに知っている俳優さんがいらっしゃらなかったのですが、大量に出てきた割に個性が皆さん際立っていて芝居をしっかり体現されていました
主役の伊藤さんは、完全出ずっぱりで、それだけでもかなり大変そうだったのですが、観客目線のツッコミもするどくてとても存在感がありました
ヤクザ役の山下さんは、なんかヤクザのこわさというよりも義理人情を大事にする感じがとても良くでていて人柄を感じる演技でした
デリヘル嬢役の女優さんたちは皆さん魅力的でした。かわいいだけでなく、全員にちゃんとバックボーンがあることをさりげないセリフや演技で説明されていて自然と感情移入できました
SF作品らしいギミックがしっかり
別にいつもSFをやっている劇団ではないと思いますが、SFについてタイムパラドックスなどのギミックがあって良かったです。
私もどっぷりハマった「三体」の話が出てきたときは爆笑しました
最後は、きちんと大団円
もっともその未来が心配されていてほぼ主役なんじゃないかと思われた古谷さん演じるヒロセが、最後にちゃんと社長にまで上り詰めていてホッとしました
SF好きで、新宿が好きでという僕の嗜好にばっちりあったこともあったかもしれませんが、初観劇の劇団にして大当たりを引けた気分でした。とはいえ、相当前からある劇団なので、単に僕が不勉強なだけですが🤣
次タイミングがあえば、またこの劇団の公演に足を運びたいなと思いました
以上 アガリスクエンターテイメント「なかなか失われない30年」の感想記事でした