[映画評]森義隆 監督「聖の青春」@アマゾンプライムビデオ
松山ケンイチさんと東出昌大さんの二人が役に対しての没入感がすごい。にわかの将棋ファンとして、自分とほぼ同年代の棋士たちの命がけの戦い、そして壮絶な棋士人生を歩んだ実在の棋士村山聖さんの生き様に心が動かされました
題名 |
聖の青春 |
原作 |
大崎善生
| 監督 |
森義隆 |
出演者 |
松山ケンイチ:村山聖
東出昌大:羽生善治
リリー・フランキー:森信雄(聖の師匠)
竹下景子:聖の母・トミ子
染谷将太:弟弟子・江川貢
安田顕:東京にきた聖をサポートするベテランのプロ棋士・橘正一郎
柄本時生:東京にきた聖と交流する同世代のプロ棋士・荒崎学
野間口徹:谷川浩司
遠藤たつお:ベテラン棋士・井守鶏三
矢嶋俊作:ベテラン棋士・田中章道
北見敏之:聖の父・伸一
筒井道隆:将棋雑誌編集長・橋口
山口恵梨子:大盤解説会聞き手・山口恵梨子
明星真由美:看護婦
中本賢:路上に倒れていた聖を助ける男
新木優子:村山が通う大阪の古書店店員
込江大牙:聖の子供時代
野添義弘:聖の後援会会員
鶴見辰吾:聖の膀胱がんを診断する医師
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視聴方法 |
アマゾンプライム
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視聴日 |
2020年8月8日 |
にわか将棋ファンが将棋映画を見る
藤井聡太棋聖の快進撃をきっかけに、将棋が私の中でブームです。藤井聡太さんの対戦相手だった渡辺明二冠について紹介されている漫画「将棋の渡辺くん」を読み、興味がバク上がりしているというわかりにくいルートですが😁
とはいえ、漫画を読むことで、将棋界のことが少し詳しくなったくらいです。
例えば、タイトルが、7つだったのが、叡王というのが増えて8つになっているのもこの漫画で知りました
将棋界については色々興味がでてきたこともあり、もっと知りたくなりました。
そこで、「そういえば、松山ケンイチさんが主役をやった将棋映画があったはず 」というのを思い出しアマゾンプライムで検索したところなんと無料で見れることが判明。
休みの日の午後、見始めました。
二人の名優の没入感
松山ケンイチさんは、公開当時体型まで変えて、太っていた村山聖さんになり切った演技を評価しているネット記事を見ていたので、なりきりの演技に驚きはありませんでした
一方で、羽生善治さんを演じる東出昌大さんの完成度には驚きました。神経質そうな風貌だけでなく、将棋界に詳しくない自分でも感じる羽生さんの佇まいが完璧に再現されていると思いました。
東出昌大さんは、相当に羽生さんの人間像に迫ったんだろうなと思います。コンフィデンスマンJPとかでおちゃらけている演技がイメージとして強かったのですが、今回の映画でかなりイメージが変わりました
松山ケンイチさんの方は、体型だけでなく話し方や歩き方まで変えた徹底ぶりで、相変わらずのカメレオン演技に舌を巻きました。
ちなみに、映画の撮影中の頃の松山ケンイチさんを何かのテレビでみて、あまりの体型の変わりようを、新婚だったこともあり「 幸せ太りだなぁ」と勝手に思い込んでいました
ごめんなさい
壮絶な棋士の人生
29歳という若さで亡くなった村山聖さんの人生は壮絶です。
僕自身は、羽生さんが7冠をとったときはニュースになっていて覚えていますが、村山さんのことは覚えていませんでした
しかし、映画の予告編とかを見ると(一応、予告編を見てから映画を見始めた)「 東の羽生、西の村山」と呼ばれるほどの実力を村山さんは持っていたようです
実は、私と同郷の広島県出身というのも映画を見て初めて知りました。映画の中の広島弁を懐かしく聞きました
将棋にまさに命をかけた村山さんが、将棋に出会ったのも彼を苦しめた病気(ネフローゼ症候群)の入院していたときというのも皮肉な現実だと思いました。
村山さん自身のセリフでも、病気でなければ将棋に出会うこともなく、羽生さんと将棋もさせなかったというセリフがありました。
膀胱がんを患い、その病気に対して最初逃げてしまい、治療を拒否したりというところもとても人間的だと思いました。
ついに手術をし、羽生さんとの最後の対戦。緊迫する中で、痛恨のミスによる敗北。それでも、対羽生さんとの生涯戦績は、6勝8敗というのは、まさに実力のある棋士である証だったのでしょう。
けしてヒーローではない
周りの棋士への物言いや、生活態度なんかみてると、かなりひどい。(演出されているのだと思うものの )
それでも、彼の人生が心を打つのはその真摯なまでの将棋にかける情熱と天才性を感じ取ることができたからだと思いました
映画の終わりで、村山聖さんの命日が8月8日だと聞いて、たまたまこの映画を見た日が8月8日だったことにちょっと驚きました
アマゾンプライムでお家で映画体験も、たまにはいいですね
ちなみに、将棋に興味を改めてもったきっかけをもらったのは、以下の漫画。棋士の日常が垣間見えて面白い!