前回の「チケット高額転売は買う側だけが悪いのか?[課題編]」の続きです。
僕は、作る側ではないので、机上の空論と言われると思いますが、自分なりの主宰者側に検討してほしい施策を上げていきます。
目次
■提言1 座席の10%程度を当日券用に確保し、オークションに出品する。
パーセンテージは、適当です。要は、ある程度の数量を全席分確保したうえで、各公演日の直前にオークションを行う。主催者のサイト等で行えるのがベストですが、いわゆるチケット転売サイト等でもOKだと思います。
ポイントは、主催者自らがオークションサイトに出品すること。そして、公演日直前(前日とか3日くらい前とか)に出品することです。
オークション形式であるため、より高い値段が付く可能性がある間は所有権が確定しないため、オークションの確定は前日の夜までとかにする必要はあるでしょう。(なので、厳密には前日券といった方が正しそうです)
こうすることで、以下のメリットがあります。
- なんらかの事情でチケットを買えなかった人が、直前でも手に入れることができる。(少しくらいお金がかかっても…)
- 人気のある作品であれば、全席定価販売よりも売上高が高くなる。良作故に少しくらい高い値段でもチケットを買おうとした観客の払ったお金が、主催者に入る。
■提言2 購入したチケットは、前日までであれば定価で主催者が買い戻す。(キャンセルできるようにする)
なんらかの事情で、チケットを購入した人がそのチケットを使えなくなった場合、主催者が買い戻す仕組みも構築すべきでしょう。そうすることで、前売りチケット(定額チケット)を安心して買うことができるようになります。
また、主催者側も、買い戻したチケットを提言1のオークションに出品することで、無駄にならないと思います。
また、(少し感情的な面ですが)自分がファンのチケットを他の人に高く売ってしまう事への抵抗感もありません。(なんか、自分が定価で買ったチケットを高く他人に売るのってファンとしてはなんか心苦しい…と感じるのは僕だけでしょうか)
■提言3 購入者本人以外が入場できない仕組み
これは、既に色々な試み(顔認証の導入等)が提唱されていますが、これを導入することと提言1〜2が導入されれば、転売目的で過剰にチケットの確保をする「転売屋」的な人を排除することができると思います。(提言1、2の導入だけでも、転売屋から買う人が減り、転売屋が成立しなくなる可能性はありますが)
■提言のデメリット
当然ながら、デメリットもあります。
チケットを買った顧客が、定額で主催者に買い戻してもらえるようにすることで、ショーの出来いかんで一度売れていたチケットが主催者側に買い戻される可能性があります。
結果として、ショーの出来如何で、途中で興行収入がマイナスに転じる可能性もあります。
当然、需要が供給を下回れば、チケット価格も定価より下回る価格で落札されることもありえます。
また、それでも売れ残るチケットが発生する可能性も出ます。
そういったチケットを捌く為の仕組み(半額チケットを扱う海外のTKTS的な仕組み)も用意する必要があるかもしれません。
ただ、そういった手の届きやすい価格になることで、そのショーに本来興味がなかった層にリーチできるようになる可能性もあります。